研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究課題では人間の行動メカニズムを明らかにする被験者実験と、人々の行動モデルの理論的妥当性や異なる環境下での振る舞いを予測するためのエージェントシミュレーションを併せて用いることで、理論・実践の両面から総合的に検討をおこなった。本研究課題の最大の目的である人・AI共存下での道徳判断基準の進化についてはこの状況に着目し、様々な状況を想定したシナリオ実験を中心に人・AI共存環境における人の同党判断基準ならびにAIの判断の受容過程について分析した。
社会情報学
本研究課題の学術的・社会的意義は課題の速報的重要性と学術的知見の蓄積が未整備であるという現状である。人の道徳判断基準や向社会的行動の要因を探る研究は古くから社会心理学分野を中心に研究が蓄積されてきた。しかし人間より多くの情報を高度に処理する主体が存在するという環境は近年になって人類が初めて直面したものである。そこで本研究課題では人が判断を保留ないし迷う状況下で下される善悪判断が、AIと人間の混在環境下でどのように進化しうるかをシミュレーション、被験者実験を通じて明らかにした。