研究課題/領域番号 |
19K21573
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
辻田 哲平 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (40554473)
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研究分担者 |
佐藤 大祐 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (40344692)
安孫子 聡子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40560660)
黒崎 将広 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (10545859)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | オープンソースソフトウエア / 悪用防止 / ロボット |
研究実績の概要 |
今年度は,昨年度開発した悪用防止機能を有したロボット用セキュアプロセッサの改良と,セキュアプロセッサを用いたロボットの設計・開発・実装の流れを試行した.セキュアプロセッサの開発には FPGA(Field Programmable Gate Array)とNios IIを使用した.今回は,Altera Cyclone VシリーズのFPGAを搭載したTerasic社製の評価ボードDE0-CVを使用した.Nios IIはIntel社製ソフトコアプロセッサである.開発段階でセキュアプロセッサに必要な三つの機能を容易に検証するため,三つの Nios IIを使用し,それぞれに一つの機能を割り当てた. Nios II(1)はロボット制御プログラムの実行機能を有している.また,Nios II(1)はロボットに搭載される従来通りのプロセッサを想定しているため特殊な機能は付いていない.Nios II(2) は実行コードの抜き出し機能を有しており,メインメモリである RAM の中身を後述する Nios II(3)にすべて出力している.Nios II(3)はロボットの強制停止機能を有している.この機能は,ロボットを制御しているNios II(1)をリセットすることで実現した. このセキュアプロセッサを車輪型移動ロボットに搭載し,実際にロボットが強制停止するかどうかを検証した.プログラム実行中に Nios II(3)からリセット信号を送ったところ,プログラムは正常に停止したが,モータは同じ速度で回転し続けていた.今回使用したD/A コンバータには,出力電圧を初期値にクリアするためのCLRピンが用意されている.そのため,Nios II(3)からのリセット信号を新たに D/AコンバータのCLRピンにも入力することで,D/A コンバータの出力電圧を0 Vにし,モータを停止させることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発したプロセッサの妥当性検証のため,より精緻な実験の実施が必要であるため.
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今後の研究の推進方策 |
開発した悪用防止機能を有したプロセッサを搭載した移動ロボットの屋外実験を通して,悪用防止の国際的枠組みのあり方について検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
悪用防止プロセッサを開発し,実際のロボットのハードウエア設計およびソフトウエア開発を行った.この過程において,開発者目線での様々な要求が具体化され,フレームワークのより詳細な検討が必要となった.次年度に,ロボットの設計・開発ループの試行を複数回行うために,次年度使用額が生じている.ロボットの設計・開発ループの試行を行うために必要な,ロボット用部品を購入する計画である.
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