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2020 年度 実施状況報告書

尿リピドミクス解析による認知症予測バイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K21581
研究機関新潟大学

研究代表者

中村 和利  新潟大学, 医歯学系, 教授 (70207869)

研究分担者 渡邊 裕美  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50325479)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワードリピドミクス / 尿 / アルツハイマー病 / バイオマーカー / 予防
研究実績の概要

2020年度は2019年度の研究で得られたリピドミクス解析(脂溶性代謝産物の解析)の結果を、これまでの研究で得られていたメタボロミクス解析(水溶性代謝産物の解析)結果(挑戦的研究(萌芽)研究課題17K19799)と統合し、解析を進め、論文作成を行っている。多変量解析による判別分析(OPLS-DA)の結果、26代謝産物によりアルツハイマー病患者尿と対照尿(認知機能正常高齢者尿)を最も効率良く判別することができることを確認した。それらの代謝産物のパスウェイ解析を行い、リン脂質代謝、脂肪酸代謝、カフェイン代謝に関するパスウェイなどが重要であることが示唆される結果を得た。リン脂質代謝は血液や脳のメタボロミクス解析、リピドミクス解析で認知機能低下やアルツハイマー病との関連が指摘されている。カフェイン代謝系は、カフェインの大きな摂取原であるコーヒーや緑茶の摂取量と認知症機能との関連が、我々が行っている村上コホート研究の未発表データ含め、複数の疫学研究で示されている。アルツハイマー病に次いで頻度の高い神経変性疾患であるパーキンソン病では血液中の複数のカフェイン代謝産物の量が有意に少ないことが示されている。これらの代謝産物はメタボロミクス解析とリピドミクス解析とで異なる質量分析プラットフォームによって測定されたものである。そこで、これらの代謝産物をひとつのプラットフォーム上で解析できれば今後の尿バイオマーカー探索系の構築が容易になると考え、これらの代謝産物の質量分析条件の最適化を図っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響による講義のオンライン化の対応などに想定外に時間を要し、全体として進捗が遅れた。リピドミクスとメタボロミクスの結果を統合してのバイオインフォマティクス解析を行うに当たって各代謝産物のアノテーションに予想以上の時間を要したが、ほぼ解析を終えることはでき、現在、論文化をすすめている。

今後の研究の推進方策

解析結果からバイオマーカー候補には脂質分子種と水溶性化合物の両方が含まれた。これらを一括して測定できれば今後の尿バイオマーカー探索系の構築が容易になる。そこで、選択した化合物の分析条件の最適化を行う。
並行して、解析結果の論文作成を行う。

次年度使用額が生じた理由

解析結果からバイオマーカー候補をしぼることができ、これらを一括して測定できれば今後の尿バイオマーカー探索系の構築が容易になることが判明した。そこで、選択した化合物の分析条件の最適化を開始した。また現在これまでの解析結果の論文投稿作業中である。これらの計画実施と完成が来年度となる。

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公開日: 2021-12-27  

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