老化の緩徐化には 過度の炎症を抑制することが有効である。本研究では慢性感染症研究から見出した病原体由来分子による炎症の抑制作用を応用し抗老化の新たな予防概念の創出と創薬シーズの探索を目的とした。 病原体由来因子Tpp53はマクロファージからのIL-6産生を抑制する作用を持つ。この知見に基づき、Tpp53により発現が変化する遺伝子群を網羅的に解析した結果、Slamf9をTpp53受容体の候補として見出した。Slamf9遺伝子欠損マクロファージ細胞株では、Tpp53の効果であるIL-6産生の抑制が解除された。この結果を受けSlamf9遺伝子を欠損するマウスを作出し老化との関連を解析している。
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