• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

高齢者医療を支援する背景依存型臨床判断閾値推定モデルに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K21589
研究機関高知大学

研究代表者

栗原 幸男  高知大学, 医学部, 特任教授 (00215071)

研究分担者 北岡 裕章  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (10274375)
片岡 浩巳  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)
兵頭 勇己  高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (50821964)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2025-03-31
キーワード高齢者医療 / 急性循環器疾患 / 生活習慣病 / 臨床判断基準 / 病態推移 / 医療データ利活用
研究実績の概要

本研究では、糖尿病、高血圧症および高脂血症の生活習慣病を1つ以上持つ高齢者の病態追跡により急性循環器疾患(心筋梗塞、脳卒中等)の発症予測を可能とする臨床判断閾値を見出すことを目指している。急性循環器疾患発症の主要因子の1つは動脈硬化であるが、動脈硬化の進行状況を正確に測定することは困難である。そこで、本年度は、高知大学病院の医療データを活用して、動脈硬化の促進に繋がる病態悪化の状況を時系列で把握することで、急性循環器疾患の発症を予測する可能性を検討した。
病態の悪化の指標としては、まず本研究の中心となっている3つの生活習慣病の発症である。本研究では生活習慣病の診断が1つ以上ある症例を対象としているが、時間経過と共に生活習慣病の診断数が増えれば、より動脈硬化が起き易くなっていると考え、診断された生活習慣病の数を病態悪化指標の1つとした。また、腎臓や肝臓の働きが鈍ると血液浄化機能が落ち、動脈硬化が起き易くなるので、慢性腎炎と慢性肝炎の診断に着目した。さらに、動脈硬化がある程度進むと冠動脈の血流が一次的に止まる狭心症が発症する。そこで、動脈硬化に関連するリスク疾患として慢性腎炎、慢性肝炎および狭心症の診断数をもう一つの病態悪化指標とした。生活習慣病診断数と関連リスク疾患診断数を合わせた数を総病態悪化指数として、3つの指標を最初の生活習慣病診断から最初の急性循環器疾患診断まで追跡することとした。
最初の生活習慣病診断から最初の急性循環器疾患診断までの年数毎にグループ化して、平均の生活習慣病診断数、関連リスク疾患診断数および総病態悪化指数を算出した結果、早く急性循環器疾患が発症する群ほど、早くそれぞれの平均値が増加することが見出された。特に、急性循環器疾患発症の1年前に急に増加する傾向が見られた。見出された病態悪化指標の変化が急性循環器疾患発症予測に利用可能か見極めることが課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響に加え、急性循環器疾患(心筋梗塞、脳卒中等)の発症予測モデル構築において、当初の研究計画で考慮していた事項以外の検討事項が増えたことにより、全体として進捗が遅れることとなった。

今後の研究の推進方策

本年度の研究により、急性循環器疾患発症の主因の1つである動脈硬化の悪化に繋がる疾病診断数の増加が急性循環器疾患発症症例で多く見られることが分かったので、この病態悪化指標を従来から分かっている急性循環器疾患発症リスク指標に加味することにより、急性循環器疾患発症予測の精度を高めることができるか高知大学病院の医療データを用いて分析を進める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症のパンデミックのために執行できていなかった海外旅費は2023年度でほぼ執行できたが、これまでのパンデミックによる研究の遅れが響き、オープンジャーナルへの投稿ができなかったため、次年度使用の予算が発生した。残った次年度予算はオープンジャーナル投稿費には不足するため、2024年度の成果を国内学術集会で発表するために執行する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 三大生活習慣病患者の長期的な病態推移の分析-生活習慣病診断から5年以降に急性循環器疾患を発症した患者について-2023

    • 著者名/発表者名
      栗原 幸男、兵頭 勇己、北岡 裕章
    • 雑誌名

      医療情報学

      巻: 43 ページ: 782-784

    • 査読あり
  • [学会発表] Slow worsening toward acute cardiovascular diseases in patients with lifestyle-related diseases: Longitudinal study using a large clinical database at Kochi Medical School Hospital2024

    • 著者名/発表者名
      Yukio Kurihara, Yuki Hyohdoh, Hiroaki Kitaoka
    • 学会等名
      American Medical Informatics Association Medical Informatics Summit 2024
  • [学会発表] 三大生活習慣病患者の長期的な病態推移の分析-生活習慣病診断から5年以降に急性循環器疾患を発症した患者について-2023

    • 著者名/発表者名
      栗原 幸男、兵頭 勇己、北岡 裕章
    • 学会等名
      第24回日本医療情報学会学術大会
  • [備考] 栗原幸男教授の研究テーマ&業績

    • URL

      http://www.kochi-u.ac.jp/kms/fg_infms/index.htm

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi