研究課題/領域番号 |
19K21594
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
栗原 新 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20630966)
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研究分担者 |
倉石 貴透 金沢大学, 薬学系, 准教授 (90613167)
松本 光晴 協同乳業株式会社研究所, 研究所, 主幹研究員 (50505972)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | ポリアミン / 寿命延伸 / 腸内細菌 / ノトバイオートハエ / 代謝産物 |
研究成果の概要 |
本研究では、無菌化したハエに野生型大腸菌株、ポリアミン合成酵素遺伝子を欠損させた大腸菌株、あるいはポリアミン合成酵素遺伝子を相補した大腸菌株をそれぞれ定着させたノトバイオートハエを作成し、それぞれのノトバイオートハエポリアミンを含まない飼料を与えて飼育した。これらのハエの平均寿命は、ポリアミンを産生できる野生株を定着させた群で27.3日、ポリアミンを産生できない欠損株を定着させた群で22.0日、ポリアミンを産生できる相補株を定着させた群で25.4日であった。以上の結果から、腸内細菌に由来する代謝産物であるポリアミンが、宿主の寿命を延伸する効果が明らかとなった。
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自由記述の分野 |
応用微生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界的な高齢化の進展により、健康寿命の延伸が大きな課題となっている。「もう一つの臓器」としての腸内細菌叢は健康寿命延伸を目的とした介入対象として、ますます注目を集めている。腸内細菌の保健効果は主に腸内細菌の代謝産物によってもたらされると考えられている。本研究では腸内細菌の代謝産物であるポリアミンがハエの寿命を延伸することを示した。寿命の延伸は保健効果の中でも最大の価値を有しており、本研究は腸内細菌の代謝産物が宿主生物の寿命を延伸することを明確に示した、世界初の研究成果である。
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