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2022 年度 実績報告書

芸術文化活動が社会包摂へとつながるプロセス

研究課題

研究課題/領域番号 19K21614
研究機関九州大学

研究代表者

中村 美亜  九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20436695)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2023-03-31
キーワード社会包摂 / 芸術文化 / プロセス / 評価
研究実績の概要

芸術文化活動が社会包摂へとつながるプロセスについては、コロナ禍に遭遇したこともあり、当初想定していた内容とは異なるものになったが、結果的には想定した以上の成果を出すことができた。
一つは、科研費プロジェクトの実施時期に行われた他の研究プロジェクトと連携することにより、多くの事例調査やインタビュー調査を実施することができ、相乗効果が生まれたことである。これらの成果は、『社会包摂につながるアート活動のためのガイドブック』や『社会包摂×文化芸術ハンドブック』シリーズ(日本語・英語、及び日本語版を再編集した書籍『文化事業の評価ハンドブック』)などの形で出版に結びついた。とくに後者においては、評価学の知見を応用することにより、従来広がっていた誤解や思い込みを払拭することができたことに加え、課題解決型の事業と価値創造型の事業を区別することで、社会包摂につながる芸術活動の位置づけを明確にすることができた。
もう一つは、コロナ禍により海外調査ができなくなったため、イギリスの芸術・人文学研究会議(AHRC)の学際的研究プロジェクト "The Cultural Value Project" の成果報告書、 _Understanding the Value of Arts and Culture_ (2016)を翻訳し、出版したことである。その後、日本への応用を考える公開研究会もオンラインで5回実施し、毎回100-200人の方に視聴いただいた。これにより、芸術文化活動が個人や社会にもたらす変化のプロセス(社会包摂につながるものを含む)に関する体系的に理解が日本でも広まった。とくに「体験」から波及効果を考えていこうとする本書の姿勢、また、文化を単独のイベントではなく生態系として理解しようとする本書の姿勢は、効率一辺倒になりがちの日本の議論に一石を投じることとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 企画フォーラム: 文化的価値をどう評価するか?2023

    • 著者名/発表者名
      中村美亜、熊谷薫、大澤望、石幡愛
    • 学会等名
      日本文化政策学会
  • [図書] 芸術文化の価値とは何か2022

    • 著者名/発表者名
      中村 美亜(訳)、Geoffrey Crossick、Patrycja Kaszynska
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      水曜社
    • ISBN
      978-4880655321
  • [図書] SocialInclusionThroughCultureandtheArts:APracticalEvaluationHandbok Let’s do it! Social Inclusion Through Culture and the Arts: A Practical Evaluation Handbook2022

    • 著者名/発表者名
      The Agency for Cultural Affairs of Japan & Kyushu University Joint Research Team
    • 総ページ数
      84
    • 出版者
      Social Art Lab, affiliated with the Faculty of Design, Kyushu University, Japan
  • [備考] 『芸術文化の価値とは何か』出版記念オンライン・トークイベント(全5回)

    • URL

      https://www.youtube.com/playlist?list=PLT5ge9I86UwrBj9nN9JPWchfCvksmj1tn

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公開日: 2023-12-25  

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