研究課題/領域番号 |
19K21616
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
山田 良 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (00452988)
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研究分担者 |
定廣 和香子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (60299899)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | Art in Hospital / Action Research / Caring Effect / Derivery System / 国際協奏 / デザイン看護学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、国際協奏型Art in Hospitalプロジェクトを通して、空間的療養効果を重視したArt in Hospital モデルを開発し、わが国におけるArt in Hospitalの普及要件を抽出することである。また、将来的には本研究構想を北欧・ロシアなどの北方圏諸国に展開することを通して、北方圏Art in Hospitalネットワークを形成するとともに、デザインを通して人々の健康の回復・維持・向上を支援するデザイン看護学領域の創出をめざす。 国際共同研究の可能性拡大に向け、フィールドリサーチ(ノルウェー5月)、ワークショップ(ロシア・ノボシビルスク10月)を実施した。 2019年6月、7月、国際共同研究のエビデンスとするために日本(札幌市・北海道)においてArt in Hospitalプロジェクトを2病院(製鉄記念室蘭病院・とかち池田地域医療センター)に実施し、インスタレーションアート、《風の家:Breathing House》を設営した。 2018年3月から2019年3月までにアート・イン・ホスピタル《風の家:Breathing House》の評価に向けすでに設置した8病院のうち、4病院のデータを収集し、3病院について分析、評価した。また、設置スペース、患者の特性等からより効果的な設営要件について比較検討した。 さらに、6月に設営した製鉄記念室蘭病院について、天井から外れやすい場所であり、隣接するカフェの飲食スペースとしての機能できなくなることに対する利用者の意見が多く、設置スペースを変更することとなった。病院側は、アトリウムへの移動を希望されたが、天井が高く、吊るすという従来の設営方式では対応できず、自立型の作品を提案した。また、この作品等を北欧のアート・イン・ホスピタルのモデルケースとすることを前提として、デザインした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、COVIDー19のパンデミックにより、国際活動及び病院での活動に著しく制限が生じた。2020年6月現在、設営計画、北方圏でのフィールドワークを休止している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度もCOVIDー19によるパンデミックの影響を受ける可能性があるため、当面は、国内での準備及び遠隔方式により北欧諸国の病院・大学と共同する方略を検討する。(フィンランド、ラップランド大学の区域は、病院数が少なく、フィンランドの病院アートは、北欧の中ではまだ発展途上にあることを確認した。病院アートを早期から導入しているデンマーク、ノルウェーでの実施の可能性も模索中である。)また、看護系の国際学術集会に遠隔参加し、研究者らの活動を世界の病院関係者と共有することを通して、国際的な展開方略を模索している。作品設営自体は、現地で行う必要があるため、パンデミックの収束に合わせて、活動を再開する予定である。(院内感染防止、医療崩壊対策に直面している病院も多く、実行可能な状態となるまで、準備を進めつつ、実施(作品設営と評価)は延期する予定である。)
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次年度使用額が生じた理由 |
COVIDー19流行により、海外渡航によるフィールド調査、打ち合わせにかかる経費、日本国内の病院訪問による作品設営、調査が中止となったため、2020年度にパンデミックが収束した場合に使用するが、流行状況によっては、2021年度以降に使用する計画に変更する。
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