研究課題/領域番号 |
19K21617
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
エグリントン みか 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (50632410)
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研究分担者 |
エグリントン アンドリュー 甲南女子大学, 文学部, 講師 (30707948)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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キーワード | 女性 / アジア / 舞台芸術 / 演劇 / ポストコロニアリズム / フェミニズム / 移動 / 記憶 |
研究実績の概要 |
研究分担者エグリントン・アンドリューが、ポスト・フクシマの状況を、不条理かつ新規な日本語をと共に創出し、岸田國士戯曲賞を受賞した松原俊太郎作『山山』の英訳を、ENGEKI(日本演劇学会)から出版した。 静岡舞台芸術センターから依頼され、Richard Strauss作のthe Rose Knight『薔薇の騎士』を研究代表者と分担者が共同英訳した。 英字新聞The Japan Timesに、2023京都国際舞台芸術祭(KEX)のプレビュー記事、同じくKEXに招聘されたバック・トゥ・バック・シアターについてのプログラムノート「バック・トゥ・バック・シアター: 背中合わせで、次から次へ生成変化/老化/進化する演劇」、1960年代から半世紀に渡りインターカルチュラルシアターを牽引してきたAriane Mnouchkineの来日公演「金夢島」についてのプレビュー‘Cultures collide in Ariane Mnouchkine's Sado Island-inspired play’、新たな演劇言語を生み出そうとする岡田利規主催の「外国語」演劇についての記事‘Chelfitsch challenges Japanese theater's language barriers’と、日本の演劇業界の現在を掴む記事を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍後、ロシアのウクライナ侵攻やガザ戦争によって、さらに世界が暴力化していく中、「時代の鏡」とされる舞台芸術がその鏡の形式と機能をいかに変容させ、何を映し出すのかを問い直す研究業績を挙げた。論文1本、翻訳2本、記事4本を含む2023年度の業績は、コロナ禍以前に書かれた研究計画書とは異なる展開となり、研究年度を延長することにしたため、「やや遅れている」との評価とした、だが、当初計画していたプロジェクトから異なる状況から生まれた業績は、別の観点に立つと「当初の計画以上に進展している」と捉えることもできよう。
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今後の研究の推進方策 |
英字新聞The Japan Timesなどに寄稿し、舞台芸術の現在進行形を追いながら、Arden Shakespeare in the Theatreの一環として出版される宮城聰氏のシェイクスピア作品中の「女なるもの」に焦点を当てた英語単著書籍に加え、女性とアジアと演劇についての英語書籍プロジェクトを進めることによって、これまでの研究の成果を世に問う予定である。 並行して舞台芸術の現在進行形を追いながら、日英翻訳活動を続けていく。現在、岸田戯曲賞作家・加藤拓也氏の2024年秋に行われるロンドン公演の翻訳とドラマターグを共同担当している。宇宙をも「地球化」し、地球のみならず人間自らを滅ぼす植民地主義と、21世紀においても乗り越えられない、生殖に見る男女間の不平等と不公平について、宇宙という舞台上の仮想空間で検討しており、このプロセスを記録し、言説化していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
育児などのため、当初予定していた海外渡航が叶わなかっため。
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