研究課題/領域番号 |
19K21620
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
美馬 達哉 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (20324618)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | マイノリティ / アーカイブズ |
研究実績の概要 |
本研究は、マイノリティとされてきた人びとの主張や活動の記録をアーカイブ化することに挑戦する芽生え段階として、研究代表者と研究協力者の立岩真也らが立命館大学生存学研究センターで継続的にアーカイブ化してきた身体・精神・知的障害や病を持つ人びとの記録から出発して、エスニシティやジェンダーなど他のマイノリティについても展開する基盤となる人的ネットワークを構築することを目的とする。スペイン、イギリスの共同研究先との研究協力を行っている。 具体的な研究推進の方法としては、マイノリティ・アーカイブズについて①さがす・あつめる、②たもつ・つたえる、③つかう・いかす、の3つの視点からアプローチする。「さがす・あつめる」については、とくに感染症に関連したさまざまなデータや書籍を収集し、新型コロナウイルス感染症に関しての調査研究を多面的に行った。「たもつ・つたえる」については研究協力者の立岩真也(生存学・立命館大学)を中心に記録のアーカイブ化を進め、生存学ウェブサイト(http://www.arsvi.com/)で公開している。「つかう・いかす」については、アウトリーチ活動として、オンラインセミナー「新型コロナウイルス感染症と生存学」(2020年5月8日)に行う予定で準備を進めている。 管理・保存としてのアーカイブ化を行うと同時に、反省的・再帰的にアーカイブという技術と知の形式を人文社会科学的に問い直す研究は存在しない。今後は、記録の収集・保存・利用のすべての段階で立場性が問われるマイノリティ・アーカイブズによって初めて可能となるアーカイブ研究への新しい理論的貢献を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けて、過去の災害やパンデミックを見直し、歴史から学ぶ必要性が大きくなっている。こうした状況は、当初の計画時には予想していなかった。だが、この状況のもとで、本研究計画の挑戦的な重要性は飛躍的に高まっている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで通りのデータのアーカイブ化と収集を進めていく。また、アーカイブズの基盤を利用した研究成果を2020年度中に出版する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックのため、海外研究者との共同研究を行って、その成果発表を国際的学会で発表することが不可能になったため。必要に応じて、ウェブでの交流やウェブ開催での共同研究と研究成果発表を行っていく予定である。
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