さまざまな背景を持つマイノリティ集団に関して、データを収集してアーカイブズ化する基盤構築を行ったことは最大の学術的意義である。また、そうした「データ」の前提として、「話しても構わない、書いても構わない」あるいは「伝えることに意義がある」ことをループ的にマイノリティ主体にコミュニケーションすることは、エンパワメントとなり得ることを明らかにした。さらに、こうしたアーカイブズにおいて不可視化されているメタデータのあり方に関しても、その「使いやすさ」は、何を無用で些末なデータとして排除し、効率性のために何を犠牲にし、ユーザーをどう支援するためにあるのか、という問いを立てる批判的視点を確立した。
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