研究課題/領域番号 |
19K21622
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
片寄 晴弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70294303)
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研究分担者 |
橋田 光代 相愛大学, 音楽学部, 准教授 (20421282)
小川 容子 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (20283963)
古屋 晋一 上智大学, 上智大学, 准教授 (20509690)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | 演奏表現 / 感動 / デザイン / ピアノ / ポリフォニー |
研究実績の概要 |
名演奏に心打たれるという体験をした人は少なくないであろう。しかしながら、その理由、メカニズムについてはほとんどわかっていない。本研究では、そのリサーチクエスチョンに答えるべく、ピアノ演奏(ポリフォニー:メロディ(主旋律)と伴奏とがはっきりとわかれる構造でなく、時に別のリズムを刻む複数の旋律によって構成される楽曲。ピアノ楽曲の多くがポリフォニーにあたる)のタッチまで含めた演奏制御情報の計測、あわせて、普段、必ずしも意識下に上がってこないレベルのものも含めた演奏者が解する音楽構造の徹底的な聞き取りを実施し、これらの関係を数理解析手法を用いて分析することで、ピアニストが演奏表現にこめた感動のデザインを探っていくことを目的としている。 本年度は、いずれも、コンテストでの受賞歴のあるプロのピアニスト鯛中卓也氏、古屋(田中)絵理氏、片山 柊氏への研究協力を取り付け、また、ポリフォニー、かつ、解釈による演奏表現の変容が明確であるという課題曲3曲の選定を実施した。その上で、ポリフォニーにおけるフレーズ解釈のアノテーション基準を定め、各ピアニストに二つの異なった解釈の設定、ならびに、一つについてはテンポを変えた演奏を行うよう、演奏収録に向けての準備を依頼の上、スタジオでの演奏収録の予定日を迎える段階に入っていた。 その間に新型コロナウイルスの感染拡大の時期に突入し、県外を超えての移動、スタジオという密空間での作業を延期せざるを得ない状況になり、最終的に、本年度の演奏収録は見送らざるを得ない状況となった。 5月末日の段階で緊急事態宣言も解除となったことにあわせ、演奏収録に向けてのスケジューリングし直しを進めるとともに、それに先立つ形でフレーズ解釈のアノテーションデータを電子的に回収するための環境の構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大のため、予定していたピアノ演奏のスタジオ収録とインタビューを延期せざるを得なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、新型コロナウイルスの感染状況にあわせた対処が求められるが、緊急事態宣言が解除となったことを受け、7月末から9月にかけて演奏収録と聞き取りが実施できるよう、スケジュールの再調整に着手した。また、密な状況を少しでも減らすことができるよう、「リモートでの聞き取り」がどのように実施できるのかについての検討を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染の拡大のため、予定していた演奏収録と聞き取りが実施できなかった。2020年度に延期して実施予定である。
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