研究課題/領域番号 |
19K21636
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 専任教授 (00188533)
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研究分担者 |
奥 香織 明治大学, 文学部, 専任准教授 (30580427)
新谷 崇 茨城大学, 教育学部, 助教 (30755517)
仮屋 浩子 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (50440136)
道家 英穂 専修大学, 文学部, 教授 (70198000)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 宗教改革 / 改宗者 / 演劇 / 神秘劇 / コンベルソ / 殉教劇 / 宗派化 |
研究実績の概要 |
研究会報告会を催し、辻が「宗派化」というコンセプトがドイツにおける宗教改革を考える際に、いつ頃からどんな役割を果たしてきたかを報告し、その役割と限界を考察・討議した。今年度は、研究考察対象を宗教改革と演劇の関係だけでなく、同時期の音楽や美術、哲学における改革を俯瞰し、そこにも大きなパラダイム・チェインジがあったこと、それらに対する研究が蓄積されていることを知り、これらを統合的に考える可能性を考察した。即ち、1500年代に宇宙観・世界観の揺らぎ、転換があり、それは直接的にはコペルニクスやガリレイらの研究により宇宙観の変化が生じたわけだが、その時期に、例えば音楽においてはポリフォニーからホモフォニーへ、あるいは通奏低音の発明という大転換が生じている。これらを単に音楽技法の変化として捉えるのではなく、世界観の変化に照応した表現形態の変化として捉える可能性を考察した。美術におけるバロック美術の登場も同様でこちらは特に対抗宗教改革を考慮にいれて考察する必要が討議された。さらに3月31日には「宗教改革と西洋演劇」と題するシンポジウムを対面とzoom のハイブリッドで実施し、辻、道家、仮屋、奥の報告と新谷のコメントの他、参加者、報告者同士の活発な質疑および討論が交わされた。討議されたのは、スペイン17世紀におけるコンベルソ劇作家(仮屋)、ジャン・ロトルーと殉教劇(奥)、アントニーマンディの殉教劇『サー・トマス・モア』、16世紀イタリアの演劇作家についてである。シンポジウムを通じて、本テーマの持つ多角性の認識が深まり、さらに探求すべき対象が多くあり、ヨーロッパでも研究が進展しつつあることを実感した。
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備考 |
上記「研究ブログ」の内容は、同一筆者(辻 昌宏)によるブログ『イタリアに好奇心』と内容が重複している部分が多い。『研究ブログ』は筆者名を銘記したブログであり、『イタリアに好奇心』はハンドルネーム(panterino)による執筆という点が異なる。また『イタリアに好奇心』の方が研究以外のイタリアやオペラに関するより広いテーマ群を扱っている。
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