研究課題/領域番号 |
19K21637
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
李 在鎬 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (20450695)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 文章の自動処理 / リーダビリティ / テスト項目の自動生成 / テキストマイニング / 日本語教育 / 自動システムのガイドライン |
研究実績の概要 |
本研究は、文章が持つ潜在的な特性であるリーダビリティ値(文章の読みやすさを示す計量的な指標)に基づいて、テスト問題を自動生成するシステムを開発・公開することを目的とするものである。10名の日本語教師に対して、テキストから試験問題を作成する調査を行った。この調査結果をもとに、初級レベルのテキストに対しては助詞の穴埋め問題を自動生成するシステムを作成した。中級と上級レベルのテキストに対しては副詞や機能表現の穴埋め問題を自動生成するシステムを作成した。 すべての研究成果は、jReadability(https://jreadability.net/sys/ja)において実装されており、テキストを張り付ければ、入力テキストの難易度に応じて、テスト問題を自動生成する機能が利用できるようになっている。 2022年は、実装済みのシステムの広報を目的とするセミナーを複数回において開催した。セミナーにおいて、システムの広報だけでなく、参加者からのフィードバックも集めており、これをもとに使い方に関するガイドライン作成をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
システムレベルの開発は完了しているが、本システムが日本語学習者の学習に貢献するものであることを確認するための調査が必要である。2022年冬から行っている海外(クロアチア、スロベニア、エジプト、ベルギー、ハンガリー)でのセミナーで有意義なフィードバックをもらっているし、並行して行っているデータ収集作業で、分析の方向も決まったので、2023年度、完遂できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2022年冬からクロアチア、エジプト、ベルギー、ハンガリーで学習者に対する調査や言語評価に関するセミナーを行い、利用者のデータも収集してきた。今現在も収集したデータの分析を進めている。データ分析をとおして、本システムが日本語学習者に与える影響について明らかにする。その上で、本システムの利用に関するガイドラインを作成し、日本語教育の自立学習に役立てていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナにより、海外渡航が制限された影響で海外でのセミナー開催ができなかったが、2022年の後半からセミナーを開催している。2023年も引き続き、海外の日本語教育の現場を回りながら、セミナーを開催し、研究成果の共有を促進する。2023年に実施することが決まっている国は、ポーランド、スペイン、ポルトガル、ベトナムである。
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