研究課題/領域番号 |
19K21645
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 大介 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (50374872)
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研究分担者 |
佐藤 正恵 石巻専修大学, 人間学部, 教授 (00211946)
Morris John.F 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30220057) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 歴史資料保全 / 心理社会的支援 / 学際連携 / レジリエンス |
研究実績の概要 |
2019年度は9月3日に開催された国際ドキュメンテーション委員会(CIDOC2019、国際博物館協会2019年大会、京都府京都市)での査読付き報告において、東日本大震災後の歴史資料救済・保全活動の概要を改めて紹介した上で、それらを臨床心理学の連携により災害支援として位置づけ直すことの意義について紹介した。また2019年11月11日:世界防災フォーラムでのポスター発表において、本研究課題の心理学分野の上山、佐藤らの調査結果として、東日本大震災後に行われた資料レスキューが、その対象となった旧家の子孫を中心とする歴史資料所有者にとっては、心理社会的支援の効果を有していることを、インタビューとその結果に対する統計処理によって、質的量的に示した。ニュージーランド、イギリス、中国、トルコ、カンボジア、台湾、インドネシアなど、各国の研究者が関心を示し、心理社会的支援に対する世界の関心の高さを知ることができた。 一方、歴史資料救済のボランティアに従事する市民への調査は、学内での倫理審査委員会の通過に時間がかかったこと、および2019年10月12日から13日にかけての台風19号の被害対応にともなう実務の増加、さらには2020年初頭からの新型コロナウィルスの感染拡大に伴う大学の行動規制にともない、調査対象地への訪問・調整や対面でのインタビューを行うことが出来なくなったため、予定通りに実施することが出来なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述のように、学内での研究倫理委員会での審査通過が予定時期より遅延したこと、また2019年台風19号で研究代表者が被災した歴史資料レスキューの実務に当たったこと、および2020年初頭からの新型コロナウィリスの感染拡大に伴う所属組織での行動自粛基準のため、出張及び対面でのインタビューが実施できなくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染拡大状況の収束が不透明な状況にあるため、本研究の推進に必要なデータの収集に著しく支障を来している。対応については継続して協議を進めつつ、在宅およびウェブ上で可能な研究活動、またボランティアとの関係や支援のあり方について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年の台風19号による被災歴史資料の救済・保全活動にともなう実務の発生、および2020年初頭からの新型コロナウィルスの感染拡大にともなう行動自粛による出張調査およびインタビューが実施できなくなったため。2020年度については、引き続き新型コロナウィルスの感染拡大が懸念される状況が続いており、調査予定地だった兵庫県、新潟県への出張が実施できるかは不明である。また2020年5月に開催・参加予定であったユネスコ「世界の記憶」フォーラムも一旦延期となったが開催自体が不透明である。さしあたりはウェブ上で可能な活動を行いつつ、状況に応じて柔軟に対応することとする。
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