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2021 年度 研究成果報告書

ベトナムのチャム回儒とイスラーム・儒教融合

研究課題

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研究課題/領域番号 19K21648
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
研究機関東京外国語大学 (2020-2021)
鹿児島大学 (2019)

研究代表者

新江 利彦  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (60418671)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワードthe Cham / Champa / Panduranga / Bani (Awal) / Cam (Ahier) / Shafii / Emanationism / Islam-Confucian fusion
研究成果の概要

チャムの創世伝承サカライ・ポークックは、世界・宇宙の最初の存在をクックというチャム語(アラビア語QTBまたは漢語「極」)で示し、チャムのイスラーム理解においてムハンマド=ロゴス(神の言葉)となみなす神学と、流出説的世界観、天のコーラン=書物の母umm al-kitabから始まる王岱輿的な太極=理(形相エイドス)理解があったことを示唆した。しかしながら、アラビア語QTBを語源とする可能性もある「極」(kuk/cucクック)と、ヒジュラ暦の8年周期を示すチャム漢語の八天干(bat thien can)ほかには、チャムにおいてイスラーム・儒教融合と確定できる文献上の証拠は見出すことができなかった。

自由記述の分野

歴史学

研究成果の学術的意義や社会的意義

チャンパーのイスラーム理解が、スンニー派とくにシャーフィイー派に近い正統派であり、文献上逸脱は見られないという主張は過去にもあったが、今回調査結果はそれを裏付けるものであった。一方、チャムにおける裁判は、統治者の代理人としてもカーディーの存在が確認できなかった。統治者すなわちチャンパー藩鎮王(本鎮王)が、チャム人およびキン人藩僚の補佐のもと、直接裁判を行っているように見受けられた。阮氏の裁判制度に基づかないチャム固有の司法・裁判制度に基づくチャンパー藩鎮王による裁判においてある程度実施可能であったであろうイスラーム法廷の実施は、「チャンパー王家文書」所収の裁判記録等の文献からは確認できなかった

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公開日: 2023-01-30  

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