研究課題/領域番号 |
19K21670
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
野口 靖 東京工芸大学, 芸術学部, 教授 (50287869)
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研究分担者 |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
井本 佐保里 日本大学, 理工学部, 助教 (40514609)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 文化人類学 / 社会人類学 / デジタルアーカイブ / メディアアート / ライフヒストリー / ケニア / ナイロビ / スラム |
研究実績の概要 |
・スラムの居住環境を記述するデジタル映像アーカイブ 新型コロナウィルスの影響でケニアに滞在することができなかったため、ナイロビのスラムでの映像撮影は断念し、日本においてできるデジタルマップ作成を行なった。2020年度の方針として、PC上で稼働する時空間マップソフト(特願2008‐192562)の更新とwebアプリケーション版の時空間マップソフトの開発を行なった。PC版の時空間マップソフトはインスタレーション展示用で、webアプリケーションの時空間マップソフトはインターネットメディアとして開発している。PC版の時空間マップソフトは、最新のOS(開発時はMac OS Catalina)で稼働させるために、大幅な改造を行った。特に、開発時に使った3Dモデルの技術はOpenGL.frameworkだが、この技術は現在Appleは非推奨としているのでMetalに変更した。また、ビデオの再生技術はQuickTime.frameworkだったが、これも現在非推奨なのでAV Foundationに変更した。なお、Retinaディスプレイで表示できるようにアップデートした。 また、webアプリケーションの時空間マップソフトは、D3.js + MapBox GL JSを利用して開発を始めているが、まだテストの段階なので、2021年度も継続して開発を行う。 ・スラム住民のライフ・ヒストリーの民族誌映像 2020年度はケニアへ入国できなかったため、撮影はできなかったが、2019年度に撮影を行なったエミーを中心としたドキュメンタリー映像をもとにして2020年度に論文「コンパクトライフ・プロジェクト」に関する一考察」(代表者:小田珠生)を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・スラムの居住環境を記述するデジタル映像アーカイブ 新型コロナウィルスの影響で渡航が制限されていたのと、ケニアに関しては感染症対策が万全ではないことが予想されたため、ケニア渡航を断念した。 2020年度に計画していた研究は居住環境を記述するデジタル映像アーカイブで、ナイロビのスラムの室内空間を撮影するつもりだったので、この計画を2021年度に持ち越すことにした。その代わりに2020年度の方針として、PC上で稼働する時空間マップソフトの更新とwebアプリケーション版の時空間マップソフトの開発を行なった。 ・スラム住民のライフ・ヒストリーの民族誌映像 こちらもスラム住民へのインタビュー映像撮影がまず大前提だったので、ナイロビ滞在を断念したため2021年度に持ち越しとした。
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今後の研究の推進方策 |
少なくとも2021年度の前半のケニア渡航は困難だと予測されるので、前半はwebアプリケーションの時空間マップソフトをd3.js + MapBox GL JSという技術を利用してweb版の時空間マップソフトを完成し、既に収集済みのナイロビの歴史的風景写真をマッピングする。 また、2021年度の後半にはキベラ、ムクル、カンゲミ、カワンガレ、マザレで居住空間や街路での全天球パノラマ映像の撮影、インターバル撮影による住民の行動可視化を中心とした映像アーカイブ作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で2020年度はケニアへの渡航が叶わなかったので、旅費を使用することができなかった。状況が許せば2021年度後半の渡航を目指している。
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