研究課題/領域番号 |
19K21673
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
駒形 修 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (20435712)
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研究分担者 |
米島 万有子 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (20733281)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | GIS / 生物調査 |
研究実績の概要 |
これまで自ら行った多くの野外調査の記録(採集記録、地図、航空写真、現場写真等)の整理を行った。それらは、 2014 年のデング熱の国内感染に関連したヒトスジシマカ調査や、デング熱やチクングニヤ熱への警戒から行われた 10 年以上前からの調査結果を含む。日本では、デング熱の患者数は2014年の東京での国内感染を除き、輸入感染例しかないため、データの解析対象としては適していないため、蚊の捕集数を採集場所周辺の地図、航空写真、その他気象データ等を検討し、機械学習で使用するためのデータの検討および、もちいるデータのクリーニングを行った。 また、並行して解析に必要なソフトウェアの整備をおこなった。開発は主にコンピュータ言語Pythonを用いた。解析する画像(地図、写真など)はテンソル化され独立変数となり、また蚊の捕集成績(年次、季節変動等が補正された成績)は従属変数とみなせる。画像、特に写真は撮影時の時間帯や天候により全体の明るさや色合いが各々異なるので、標準化が必要であるが、既存のライブラリーの利用が可能であるため、補正することができるが、補正の基準に関しては今後の検討が必要である。電子的な画像は通常 RGB (赤、緑、青)の 3色の画素の情報から構成される。この3色を分解し、テンソル化(数値化)し、深層学習プログラム(現時点ではGoogle社のライブラリTensorFlowを用いてテストしている)の解析対象とできるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野外調査データの蓄積は豊富であり、計算に必要なソフトウェアの整備なども順調であり、データ整理は順調にすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
調査地点周辺の一定面積(例 : 半径 50m )を切り出し、蚊が多く採集された場所、そうでない場所を画像解析により深層学習で解析する。これまでの捕獲データを整理し、年次的、季節的な変動についての補正を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年は主に、これまでに収集した野外採集データの解析作業の割合が多かったため、野外調査などが少なかっため差が生じた。これは研究の進行状況により次年度以降に行う予定である。
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