研究課題/領域番号 |
19K21680
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
小寺 智史 西南学院大学, 法学部, 教授 (80581743)
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研究分担者 |
磯部 哲 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (00337453)
岡田 希世子 九州産業大学, 地域共創学部, 准教授 (40389383)
奈須 祐治 西南学院大学, 法学部, 教授 (40399233)
鵜飼 健史 西南学院大学, 法学部, 准教授 (60705820)
高 史明 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (90594276)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | CAM / 補完代替医療 / 憲法 / 行政法 / 消費者法 / 国際法 / 政治学 / 言説分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、補完代替医療(CAM)に対する日本の法規制の現状と課題を分析し、今後求められる法規制のあり方を明らかにすることである。本研究はCAMのなかでも特に健康食品・サプリ及びホメオパシーに焦点を当て、CAMをめぐる言説の拡散状況、日本の現行の法規制及び今後求められる法規制に関する体系的検討を行う。具体的には、憲法、行政法、医事法、消費者法、国際法、政治学、社会心理学の学際的な知見を用いてCAMをめぐる法の現状を多面的に観察し、CAMに対する現行法規制の課題と将来の法規制のあり方を検討する。 初年度である2019年度は、研究体制の整備に主に注力した。9月29日には、西南学院大学において、第1回目会合を開催した。同会合において、今後3年間の研究計画を確認すると同時に、各自の研究の進捗状況に関して報告及び議論を行った。小寺は、CAMと国際的な法規制、特に国際法、グローバルヘルス法、EU法、フランス法などに関して論点を提示した。磯部は、フランスのタトゥー規制を素材として、CAMと行政法上の規制に関して、今後の研究の方向性を提示した。奈須は、CAMをめぐる言論規制と憲法21条の表現の自由との抵触に関して、主に米国法を参照しながら報告を行った。岡田は、CAMに対する国内法上の規制の一側面として、消費者保護の観点から検討を加えた。鵜飼は、CAMの政治的な意味について、権力、イデオロギー、主体を鍵概念として議論の整理を試みた。高は、twitterの言説分析という方法論を紹介すると同時に、本研究における意義を提示した。 第1回目会合終了後、第2回目会合を2020年3月9日に慶應義塾大学三田キャンパスで開催することを決定し、それまでに各自の研究を遂行することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1回目会合後、第2回目会合を2020年3月9日に開催することで決定したが、その後、COVID-19の影響を受けて、同年2月24日、開催を中止した。そのため、各自の研究成果の共有が若干滞っている。それと同時に、国内外の調査研究や外国研究者の招へいなど、今後の研究計画を変更する必要がある。この点、テレビ会議システムなどを最大限活用することで、柔軟かつ着実に研究を遂行していくことを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響により、当初の研究計画を変更する必要がある。まず、当初予定していた海外(オーストラリア)での現地調査の実現可能性は不明確である。仮に実現できない場合、文献調査やテレビ会議システムを使用したインタビューなどで代替する。続いて、年2回予定していた研究会の実施の可能性も不透明である。今後、メールやテレビ会議システムを通じて、研究メンバー間で研究成果を共有するなど円滑なコミュニケーションを図りながら、堅実に研究を遂行することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、主に2020年度に予定していた国内研究会及び海外調査研究が、COVID-19の影響により中止・延期せざるを得なかったためである。当該使用額に関しては、特に国内研究会及び海外調査研究を代替するために必要な物品および文献資料の購入に充てることを計画している。
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