研究課題/領域番号 |
19K21685
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高橋 百合子 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30432553)
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研究分担者 |
飯田 健 同志社大学, 法学部, 教授 (50468873)
SONG JAEHYUN 同志社大学, 文化情報学部, 助教 (70822617)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | メキシコ / 移民 / 在外投票 / 票買収 / サーベイ実験 |
研究実績の概要 |
2020年度は、当初、5月にニューヨーク市のメキシコ移民コミュニティを訪れ、移民組織リーダーおよび移民の方々に政治参加について聞き取り調査を行うことを予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大により、この時期の調査を延期せざるを得なくなった。その後、コロナ禍が年度末で長引くこととなったため、2020年度に同海外調査を実施することは不可能となった。この海外調査にかわるものとして、zoomを用いて、メキシコ移民が多く存在するロサンゼルス市、シカゴ市、ニューヨーク市の主要メキシコ移民組織のリーダー10数名へインタビューを実施することができた。さらに、次年度に予定している、米国でのメキシコ系移民コミュニティを対象とした大規模調査への協力に承諾いただくことができた。また、zoomを頻繁に使用することによって、メキシコの研究協力者と研究打ち合わせを行うことができた。これまでの研究成果を、2020年度ラテンアメリカ選挙学会で研究成果の報告を行った(2020年10月、zoom開催)で発表するとともに、海外英文ジャーナルへ投稿する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように、2020年度はコロナ禍により予定していた海外調査を行うことが不可能となった。しかし、それに代わるものとして、zoomを用いてインタビューを実施することによって訪問予定であった在外メキシコ移民リーダーから在外選挙の動向について情報を得ることができ、2021年度に実施予定の調査准部を進めることができた。さらに、これまでの研究成果を国際学会で報告し、さらには査読付き国際英文雑誌に投稿するに至った。こうした活動を通して、本プロジェクト最終年度である2021年に取り組むべき課題を明確にすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトの最終年である2021年度は、zoomで実施したインタビューから得られた知見に基づいて、メキシコで7月に実施される中間選挙における在外投票についてサーベイ実験を行うである。2018年に実施した、「在米メキシコ移民に対する票買収」についてのサーベイ実験の結果、約34%の回答者が票買収を経験したことが明らかになり、その成果を海外英文ジャーナルへ投稿した。しかし、複数の査読者から、移民という母集団の特定が困難なグループを研究する際に、代表制を確保するための方法を改善する必要性を指摘され、この点は、今後、取り組むべき研究課題であることが明らかになった。2021年度に実施するサーベイ実験では、この課題に真正面から取り組み、実験設計を改善させることを予定している。さらに、昨年度実施した定性的調査、そして第2回目のサーベイ実験の成果を統合させ、本研究課題の成果として論文にまとめ、海外英文ジャーナルへ投稿することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績の概要で詳しく説明したが、2020年度は、5月にニューヨーク市のメキシコ移民コミュニティを訪れ、移民組織リーダーおよび移民の方々に政治参加について聞き取り調査を行うことを予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大により、この時期の調査を延期せざるを得なくなった。その後、コロナ禍が年度末で長引くこととなったため、2020年度に同海外調査を実施することは不可能となった。この海外調査にかわるものとして、zoomを用いて、メキシコ移民が多く存在するロサンゼルス市、シカゴ市、ニューヨーク市の主要メキシコ移民組織のリーダー10数名へインタビューを実施することができた。2021年度も同様に、米国都市へ赴いて現地調査を行うことは難しいことが予想される。したがって、代替的方法として、前年度に聞き取り調査を行った移民リーダーの協力を得つつ、再度インターネットを用いたサーベイ実験を行い、本研究課題の目的を遂行することを予定している。
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