研究課題/領域番号 |
19K21685
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高橋 百合子 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30432553)
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研究分担者 |
飯田 健 同志社大学, 法学部, 教授 (50468873)
SONG JAEHYUN 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70822617)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 在外投票 / メキシコ / 米国 / 移民 / 票買収 / リスト実験 / ネットワーク / 混合手法 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、在外投票における票買収について、在米メキシコ移民の事例に着目し、サーベイ実験、インタビュー調査、ネットワーク分析による定性的・定量的な混合手法を用いた実証分析を行った。過去20年間、新興民主主義諸国を対象とした票買収の研究がついての研究が盛んに行われてきた。選挙不正を監視する機関が十分に発展していない新興民主主義諸国においては、在外投票においても票買収が行われることが予想されるが、誰が買収の対象となり、どのようなメカニズムを通して票買収が行われるのかについては未解明である。本研究は、この問いに真正面から挑むことを試みた。 2019年度は、2018年に実施された大統領選挙の在外投票において票買収が行われたかどうかについて、在米メキシコ移民を対象とした、インターネットサーベイを用いたリスト実験を実施した。その結果、約32%の回答者が票買収を経験したとの結果を得た。その成果を、2019年度米国政治学会で報告した。同学会報告を通して、本研究課題の目的である、票買収のメカニズムを探求する必要性を再確認することができ、同年12月には、メキシコ・プエブラ州において移民経験者および移民家族に対して聞き取り調査を行った。その結果、在米メキシコ移民がメキシコへの家族の投票行動へ影響を与えることを目論み、在外においても票買収が行われているメカニズムを明らかにすることができた。2020年度は、ニューヨーク市のメキシコ移民コミュニティでさらなる聞き取り調査を実施する予定であったが、コロナ禍により実施が困難となった。しかし、zoomによる在米メキシコ移民組織リーダーへ聞き取り調査をすることが可能となり、票買収のネットワークについての理解を深めることができた。最終年度には研究成果の査読付き国際誌への投稿に集中し、論文が条件付きで採択される運びとなり、本研究課題の目的を果たすことができた。
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