研究課題/領域番号 |
19K21692
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関口 倫紀 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (20373110)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | アジア型マネジメント / コンピュータシミュレーション / エージェントモデル |
研究実績の概要 |
研究初年度として2019年7月よりスタートした本研究課題では、まず、エージェントベースモデルで用いるパラメータの候補となるアジア的思考・行動様式についての理解を深めるための文献調査を進め、日本固有の概念やアジア固有の概念についての整理や洗い出しを行った。その一環として、中国企業に特徴的なインボルーションという概念に着目した論文を欧州の国際学会で報告したが、最優秀論文候補となるとともに、様々なフィードバックを得ることができた。また、アジア的思考・行動様式についての文献調査と並行し、経営学におけるコンピュータシミュレーションおよびエージェントベースモデルについての文献調査を行い、近年の動向について整理した。エージェントベースモデルを実行するための環境整備についても取り組み、博士課程学生の協力を仰ぎながら、エージェントベースモデルに最も適切なハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズムを検討した。エージェントベースモデルに関する経営学分野での文献レビューや、エージェントベースモデルを伝統的な組織行動研究に応用した論文を、海外の国際学会で発表し、有意義な意見交換およびフィードバックの機会を得ることができた。これらの成果に基づいてエージェントベースモデルに関する3つの論文を精緻化し、国際ジャーナルに投稿した。うち1つはアクセプトされジャーナルに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画においては、エージェントベースモデルで用いるパラメータとしてのアジア的思考・行動様式の理解を深めるため、主に文献調査、そして後半にはフィールド調査を開始することが予定されていた。また、それと並行してエージェントベースモデルを実行するのに最も適切なハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズムを検討した後、本格的なエージェントベースモデルを実施するための準備を進めることが計画されていた。さらに、情報収集や研究者との意見交換のために、国内外の学会に出席することが予定されていた。これらの計画は、おおむね達成することができた。とりわけ、国際学会において、アジア的概念に関する論文、およびエージェントベースモデルに関する論文を発表し、さらに、後者について作成した論文を精緻化して国際ジャーナルへの投稿を完了することができ、そのうち1本はアクセプトされ、ジャーナルに掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目にあたる令和2年度には、引き続き文献調査を継続すると同時に本格的にフィールド調査を実施し、アジア的思考・行動様式のフレームワークを確立し、エージェントベースモデルで用いるためのパラメータ化を進める。アジア的思考・行動様式の整理をより精緻化するために、国内外の研究者や実務家への聞き取り等も行う。そして、エージェントベースモデルを実行し、文献調査・フィールド調査から得られたパラメータを用いて実行と修正を繰り返しながら探索的にモデルを構築していく。中間的な研究成果は、積極的に国内外の学会で報告していく。本研究課題の最終年度となる令和3年度には、引き続きエージェントベースモデルを用いた探索的な試みを通してアジア企業のチームレベル、個別企業レベル、企業間関係レベルの振る舞いを観察し、アジア企業が共通して有する経営行動の特徴を「アジア型マネジメントモデル」として整理していく。研究成果を国内外の学会で報告するとともに、研究論文として主要な学術雑誌に投稿していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
アジア型マネジメントに関する文献調査とエージェントベースモデルの環境整備を同時に行っていたが、フィールド調査を行わなかったため、その未使用分を次年度に繰り越すことにした。次年度使用額は、繰り越した計画の実行に用いる予定である。
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