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2020 年度 実施状況報告書

エージェントベースモデルを活用したアジア型マネジメントの探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K21692
研究機関京都大学

研究代表者

関口 倫紀  京都大学, 経営管理研究部, 教授 (20373110)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワードアジア型マネジメント / コンピュータシミュレーション / エージェントモデル
研究実績の概要

本研究の2年目となった令和2年度においては、まず、前年度に引き続き、エージェントベースモデルで用いるパラメータの候補となるアジア的思考・行動様式についての理解を深めるための文献調査を進め、日本固有の概念やアジア固有の概念についての整理や洗い出しを行った。その結果、昨年度から取り組みを進めている中国企業におけるインボリューションの概念理解とともに、アジア的なマネジメントに深く関連する特徴として、日本や東アジアの社会や組織にみられる先輩・後輩・同期の関係に着目することとなり、これらの概念理解を進めるためのパイロットスタディを日本の社会人をサンプルとして実施した。エージェントベースモデルについては、アジア地域をはじめとする近年の環境変化や不確実性に対して組織がいかなる形で対応すべきかについてのモデルを考案し、進化生物学に由来するNKモデルというエージェントベースモデルの1種を活用することでアジアとヨーロッパの企業のケースを用いたシミュレーションを実施した。結果は論文化され、オンライン開催された国内学会において発表することでフィードバックを得て、ジャーナルに投稿した。ただし、新型コロナ感染症拡大の影響により対応業務が増加したことや、国内外の出張が制限されたことが原因となり、本来予定したいた研究計画のうち、海外学会に参加することによる情報交換や、フィールドスタディといった活動が大幅に制限された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症拡大の影響により、感染症対策に関する業務負担が増加したことや、国内外の出張が制限され、一度も本プロジェクトに関連する国内外出張を実施胃することができなかった。そのため、国内外学会における研究者との情報交換や、アジア的なマネジメントの理解を深めるためのフィールドスタディ、そして、エージェントベースモデルをさらに掘り下げて実施するための諸準備を実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

研究3年目にあたる令和3年度には、令和2年度において新型コロナ感染症拡大の影響により取り組みが遅れていたフィールドスタディなどの諸活動を進めていくとともに、当初予定していたアジア的思考・行動様式のフレームワークを確立と、エージェントベースモデルで用いるためのパラメータの設定、および実際にエージェントベースモデルを用いた検証作業を進めていく予定である。具体的には、アジア的思考・行動様式のフレームワークを確立するために、中国企業におけるインボリューション現象の概念構築と精緻化、ケーススタディの推進、日本および東アジアの企業組織を対象とする先輩・後輩・同期関係の理解とサーベイを用いた大規模国際比較調査の実施をすすめ、データを分析することで新たな知見とエージェントベースモデルに用いるパラメータの設定を行う。さらに、アジアにおける企業グループの振る舞いについての文献調査と実証調査を進めることで、個人レベルから組織レベル、そして組織間レベルにおけるアジア的思考・行動様式の理解を進める。エージェントベースモデルについては、そのレパートリーにNKモデルの活用を加えるかたちで詳細な分析を実施していく。研究成果は、積極的に国内外の学会で報告し、論文化したものを主要な国際ジャーナルに投稿していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症拡大の影響により、当初の研究計画に遅延が生じ、とりわけ令和2年度に計画していたフィールド調査や国内外出張などに伴う支出をすることができなかった。令和3年度においては、新型コロナ感染症の状況を見つつ、収束の見込みがついてきたところで遅れているフィールドスタディや国内外出張を進めることで計画していた予算執行を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] How transactive memory system becomes ineffective over time and when it is revitalized2020

    • 著者名/発表者名
      Wu, J., & Sekiguchi, T.
    • 学会等名
      Annual Conference of Academy of Management
    • 国際学会
  • [学会発表] A dynamic analysis of activity system maps: Application of NK model in studying organization performance and resilience2020

    • 著者名/発表者名
      呉俊彦・関口倫紀
    • 学会等名
      経営行動科学学会第22回年次大会
  • [学会発表] A dynamic analysis of activity system maps: Application of NK model in studying organization performance and resilience.2020

    • 著者名/発表者名
      Wu, J., & Sekiguchi, T.
    • 学会等名
      Academy of International Business Southeast Asia Regional Conference
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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