研究課題/領域番号 |
19K21702
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
林 倬史 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (50156444)
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研究分担者 |
井口 知栄 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20411209)
堀 芳枝 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30386792)
関 智一 立教大学, 経済学部, 教授 (50301966)
星野 裕志 九州大学, 経済学研究院, 教授 (60273752)
中山 厚穂 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (60434198)
根岸 可奈子 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 准教授 (90724568)
荒井 将志 亜細亜大学, 国際関係学部, 准教授 (70549691)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | ソーシャル・ビジネス / Local NGO / 多国籍企業 / BOP / ハイブリッドバリューチェーン / 合弁企業 |
研究実績の概要 |
今年度の研究調査の中心は、バングラデシュにおいて、日系企業・現地NGO協働による、貧困削減型のビジネスモデルとして、Grameen(代表:ユヌス氏)とYuglena社との合弁企業体(Gramenn Yuglena:共同代表:ユヌス氏・佐竹氏)を抽出し、その組織構造、ローカル・バリューチェーンと雇用創出効果、BOP(Base of Pyramid)層のバリューチェーンへの参加、等に留意しながら、貧困削減モデルとしてのソーシャル・ビジネス型ビジネス生態系モデルの調査研究となった。 そのための方法として、バングラデシュではGrameenと九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センター(SBRC:代表:星野裕志研究分担者) の協力を得て、(1)これら農村地域での実態調査を行い、土地所有状況、家庭の所得状況と収入源、子供の就学状況、夫の職業、生活インフラの状況、地域コミュニティ固有の慣習や風土、および自営業の具体的中身、そして零細小売店を経営する女性からは調達品目と価格、現地産物と現地サプライヤーを通したローカル・バリューチェーンの実態の解明に置かれた。 今年度の訪問調査では、Grameen Yuglena社による豆苗・ゴマ栽培を通した現地の契約農民数、購入額、農民層の現金収入額、等々の実態と今後の見通しを軸になされ、現地における貧困削減モデルとしてのソーシャル・ビジネス型ビジネス生態系モデル構築への具体的道筋を描くことができた。ただし、バングラデシュおよび日本における新型肺炎(コロナ)の影響により、さらなる現地調査ができない状況となっているため、今後は理論的研究に軸足を置く予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、九州大学ソーシャル・ビジネスセンター(代表:星野研究分担者)の協力のおかげで、バングラデシュの農村地域におけるGrameen Yuglena社による契約農民との豆苗・ゴマ栽培の現状と課題を調査することができた。さらに、Grameen Danon社のヨーグルト工場の調査も行うことができたことにより、先進国企業と現地NGOとの共同による固有のソーシャル・ビジネスモデルの成功例を実際に調査することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、九州大学ソーシャル・ビジネスセンター(代表:星野研究分担者)の協力を得て、バングラデシュのGrameenおよびBRAC両現地NGOとの共同調査を予定している。今年度は特に、BRACおよびダッカ大学との共同研究も予定しているが、現地訪問が新型肺炎の影響により、極めて困難な状況下にある。そのため、オンラインによる共同研究の準備をしている最中である。 研究代表者・分担者ともに、新型肺炎の影響が落ち着くまで、今までの研究成果を文章化して、国内外の学会での報告、およびジャーナルへの投稿に備えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度末の2月・3月に計画していた、海外調査研究と海外での共同研究がすべて、新型肺炎のパンデミックに起因して、キャンセルとなってしまった。 このため、この額を次年度の海外調査と海外学会および海外共同研究に使用する予定である。
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