研究課題/領域番号 |
19K21702
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
林 倬史 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (50156444)
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研究分担者 |
井口 知栄 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20411209)
堀 芳枝 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30386792)
関 智一 立教大学, 経済学部, 教授 (50301966)
星野 裕志 九州大学, 経済学研究院, 教授 (60273752)
中山 厚穂 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (60434198)
根岸 可奈子 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 准教授 (90724568)
荒井 将志 亜細亜大学, 国際関係学部, 准教授 (70549691)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | BOP / 開発経営学 / 貧困解消 / 農村女性 / 日本企業 |
研究実績の概要 |
新興国における所得格差と貧困解消、いわゆるBOP(Bottom of the Pyramid)層の経済的自立化への経営学的アプローチの確立を、現地での丹念な調査を前提に模索してきた。今年度もフィリピン、バングラデシュ、およびベトナムにおいて予定していた調査は、現地、および日本での感染症の影響により事実上断念せざるをえなくなった。その分、本科研関係者は関連する文献調査に軸を置いて、理論的整理に集中することになった。本研究の最大の研究課題は、新興国における貧困削減に貢献するいわゆる「開発経営学」の確立にあるため、従来の「経営学」的アプローチだけでは、現地の特殊性に適合的ではなく、「開発経済学」、「農業経済学」、「農村社会学」、等を包括した新たな貧困削減の理論的アプローチが求められてきた。とりわけ、新興国現地のソーシャル・ビジネス的経営管理上の特殊性として、現地固有のリスクマネジメントの理解が求められた。とりわけ、貧困が集中する農村地域における経営上のリスクマネジメントとして考慮すべき諸点として、今回の限られた現地調査からは、土地所有関係、土壌の質、気候、窃盗、強盗、製品・備品・金品の持ち逃げ、固有の文化的特質と男女間の分業特性、政治的騒乱とテロ対策、等々が見いだされた。そのため、いわゆる先進国型の経営管理論上では軽視しうる論点が、新興国型経営管理においては不可欠の課題と言える。本年度は、これらの諸点に留意した研究に焦点を当てて理論化を計ってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本本国、および現地調査対象の諸国(バングラデシュ、フィリピン、ベトナム)における感染症の影響により、現地特有の経営上の課題に直接触れることが困難となり、主としてオンライン上での状況把握に重点を置かざるを得なくなった。そのため、ジャーナルを中心とした定性的調査研究に軸を置いた理論研究に重点を置かざるを得なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査および現地関係者との連絡は、感染症の影響が解決するまでは、当分、オンラインベースのコミュニケーションに依拠することによって、現地特有の諸課題に関する情報、知識を確保するように工夫している。 今後の研究は、これまでのジャーナルやデータベースから吸収してきた理論とデータに現地からの新たな情報・知識をどのように統合化していくかに重点を移していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新興国における現地研究調査対象国として計画していた、諸国、特にバングラデシュとフィリピンにおける感染症の影響、および日本本国における影響により海外への移動が極めて困難となってしまった。 次年度は、8~9月の大学前期末、ないし2~3月の年度末への現地調査計画の再調整を分担者ならびに現地関係企業関係者と調整中となっている。
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