研究課題/領域番号 |
19K21707
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
Frank Bjoern 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30467039)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 消費者行動 |
研究実績の概要 |
人工知能を用いる製品は、顧客価値の創造を通じて企業利益の増加および社会問題の解決に貢献する可能性が高いが、この目標の達成に繋がる技術発展の最適な方向性を定めることは大きな挑戦である。この挑戦を乗り越えるために、本研究では、企業がどのような人工知能製品を開発すべきか予測するために、人工知能製品を購入したくなる動機およびその購入を意図的に避ける動機、またその動機の文脈(消費者層、国家文化、製品種類)による差についての理論を構築し、アンケート調査を用いてデータを収集し、構築した理論を収集したデータと統計分析で検証することを目的とした。 この目的を達成するために、令和1年度に設計した2つの調査票を用いて、令和2年度にアンケート調査を継続した。現地で調査票を配布し、データを収集する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で海外出張が認められなくなったため、代わりにオンライン調査を行った。インドネシアでのアンケート調査を完成することができた。また、人工知能製品の利用者を対象とする、追加のプロジェクトを立ち上げ、調査票を設計し、データ収集を開始した。 収集した一部のデータを分析し、研究論文を執筆し、査読付き国際学術誌に掲載した。この論文は、環境問題を解決するための人工知能製品の利用者を対象とした。環境にやさしい設計を通じて環境への負荷を減少させる、従来の環境的持続可能性が消費者の購買意図に正の影響を及ぼすとともに、人工知能製品が自律的な思考と行動を通じて人間と同様に自然環境を改善する行動をすることが、同様に消費者の購買意図に正の影響を与えることが分かった。また、その影響が、消費者の性別、認知欲求、及び利用者対象(大人かこども)、そして消費者が居住する場所の環境汚染に依存するパターンを解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、海外からのデータ収集を、現地調査として行う計画があったが、新型コロナウイルスの影響で海外出張が認められなくなったため、代わりにその一部をオンライン調査として行った。また、想定したよりも多くの調査を同時に行った結果、当初の計画以上に進展してきた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度には、前年度に開始したアンケート調査を継続し、さらに追加のオンライン調査を行う予定である。また、収集したデータを分析し、研究論文を執筆し、学術誌に投稿する計画がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で海外出張が認められなくなったため、研究結果の報告およびデータ収集用の海外出張を延期し、代わりに比較的支出が少ない作業に集中した。また、新型コロナウイルスの影響で研究論文が既に採択された2つの国際学会がキャンセルされた。今後海外出張が再び可能になった場合に、繰越した資金で延期した作業(現地調査と成果報告)を行う予定である。
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