研究課題/領域番号 |
19K21708
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下田 恭美 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授(任期付) (30746483)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 社会起業 / 持続可能な社会 / ソーシャルビジネス / 国際開発 / アジア |
研究実績の概要 |
本研究では、社会起業/家を取り巻く社会的・経済的・文化的背景と事業の継続性との関係を明らかにすることを目的としている。そのため、申請した研究計画書に従い、2019年度前半は社会起業/家に関連する文献の収集およびレビューを進めた。日本語文献については政府報告書、調査報告書、学術書、学術雑誌を中心に、英語文献については、学術書や学術雑誌を中心に収集およびレビューを行った。また、社会起業/家のホームページやブログ、新聞や雑誌の関連記事等を収集した。特に、近年のSDGsやESG投資への関心の高まりを背景に、経済新聞などに特集が組まれており、それらを通して関連する最新の情報を掴むよう心掛けた。 学術文献レビューと並行して社会起業に関係するセミナー等に積極的に参加し、情報収集およびネットワークの構築を行った。こうしたネットワーク構築は国内調査を行うにあたり重要であり、数名から協力への同意を得ることができた。1社については許可を得て活動現場の視察を行った。 8月には海外での予備的調査を実施した。インドネシア産のカカオを使って日本国内でチョコレートの生産・販売を行っている社会起業家の活動現場を訪問し、起業家本人、社員、および現地の農園等で働く人から話を聞くことができた。当該社会起業家の活動については、今後も継続して活動を注視していくことを考えている。 第四四半期に国内でのインタビュー調査を予定していたが、新型コロナウィルスの影響を考慮して活動を自粛せざるを得なかった。そのため、国内でのデータ収集に遅れが生じている。収集した情報やデータ整理、文献レビューについては予定どおり行っている。 研究実施体制構築の一環として、所属先の研究倫理審査委員会において研究実施に係る申請が承認されたことで、研究を遂行するために必要な体制を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度に実施予定であった国内調査によるデータ収集に遅れが生じているため。複数の起業家および関係者から研究への協力について承諾を得られはいるものの、新型コロナウィルスの影響により移動の自粛要請が継続されており、予定していた対面式によるインタビュー調査が困難な状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスが終息に向かうようであれば、研究計画に記載したとおり、海外での調査および国内聞取り調査によりデータ収集・整理・分析を行う予定である。しかしながら、現時点で、新型コロナウィルスによる調査への影響がどの程度になるか予測がつかないため、状況により電話やインターネットを使った非対面式による調査も視野にいれる必要がでてくると考えている。しかし、社会起業/家の活動現場での観察を通したデータ収集が難しくなった場合の代替をどうするかが課題である。社会起業/家のSNSなどで発信される情報からデータ収集を行うなどの対応ができないか検討したい。 また、2020年9月初旬に参加・発表予定であった海外の学会が1年延期となり、中間発表を通じて助言を得る機会が一時的に失われてしまったことは残念である。国内の学会での発表機会を探るなどの対応を考えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
第四四半期に予定していた国内調査が、新型コロナウィルスによる外出自粛要請のためほとんど実施できない状況となり次年度使用額が生じることとなった。2020年度は、国内および海外でのインタビュー調査を予定しており、その旅費や現地調査経費等に充てる予定である。しかしながら、新型コロナウィルスの影響が続くようであれば、調査方法については再考が必要となるかもしれない。
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