研究課題/領域番号 |
19K21710
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
田口 聡志 同志社大学, 商学部, 教授 (70338234)
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研究分担者 |
西條 辰義 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 特任教授 (20205628)
廣安 知之 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (20298144)
原 圭史郎 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30393036)
田中 希穂 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (40399043)
本田 康二郎 金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (40410302)
舩津 浩司 同志社大学, 法学部, 教授 (80454479)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | フューチャーデザイン / テクノロジー / 経済実験 / 仮想将来世代 / 意思決定 / 行動経済学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、特に非定型的で創造的な意思決定に関連してAIに学習させるべき良質のデータが不足しているという問題を解消するために、フューチャー・デザイン(西條編2015)の「仮想将来世代」の意思決定を蓄積するプラットフォームたる「意思決定銀行」を構築し、人とAIが共存する未来社会の持続可能性を高める方向性を探索することである。AIの意思決定はブラックボックスとなってしまう点を踏まえると、AIの判断の倫理性や妥当性を考える上では、アウトプットよりもむしろインプットの質に注目する必要がある。つまり、今後の未来社会を考える上ではAIにどのようなデータを学習させるかが極めて重要になると考えられるが、現状では、この点の議論が成熟しているとは言い難い。そこで本研究では、AIに学習させるべき良質なデータをどのように社会に蓄積させていくかという問題意識を持ちながら、それを克服させる力を持つと考えられる行動経済学やフューチャー・デザインを中心に、更には哲学や法学、心理学、情報科学など学際的な見地から、人間とAIが共存する未来社会における経済制度や社会のあり方について、エビデンスを備えた検討をおこなうことを目的とする。 当初研究計画では、討議型実験をおこない仮想将来世代の意思決定データを集積していくことを予定していたが、コロナ禍により被験者を呼んでの対面での実験の実施が困難となってしまった。しかし他方、昨年度に引き続き、関連研究の予備的な調査をおこない、さらには、オンラインでの実験実施をおこなうためのインフラ構築に努めた。また、展望論文の公表をおこなうなど、一定の進捗はあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初研究計画では、討議型実験をおこない仮想将来世代の意思決定データを集積していくことを予定していたが、コロナ禍により被験者を呼んでの実験の実施が困難となっている。しかし他方、関連研究の予備的な調査をおこない、さらには、オンラインでの実験実施をおこなうためのインフラ構築に努め、また、展望論文やワーキングペーパーの公表をおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初研究計画としては、討議型実験をおこない、仮想将来世代の意思決定データを集積していくこと(技術と社会との対話のプラットフォーム構築)を想定していたが、コロナ禍により、現在も大学入構や研究活動が様々な形で制限されている状況であり、被験者を呼んでの討議実験の実施が難しい状況にある。そこで、2022年度まで1年間、研究期間を延長し、感染防止に配慮した経済実験の実施を模索する。また、本研究は、最終的には、企業などとの連携が必要不可欠となることから、次年度以降も、企業等へのアプローチも併せて続けていくことにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初研究計画では、討議型実験をおこない仮想将来世代の意思決定データを集積していくことを予定していたが、コロナ禍により被験者を呼んでの実験の実施が困難となっているため。 次年度にはオンラインでの実験実施をおこなうためのインフラ構築に努め、感染防止に配慮した経済実験の実施を模索する。
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