研究課題
本研究の目的は、特に非定型的で創造的な意思決定に関連してAIに学習させるべき良質のデータが不足しているという問題を解消するために、フューチャー・デザイン(西條編2015)の「仮想将来世代」の意思決定を蓄積するプラットフォームたる「意思決定銀行」を構築し、人とAIが共存する未来社会の持続可能性を高める方向性を探索することである。AIの意思決定はブラックボックスとなってしまう点を踏まえると、AIの判断の倫理性や妥当性を考える上では、アウトプットよりもむしろインプットの質に注目する必要がある。つまり、今後の未来社会を考える上ではAIにどのようなデータを学習させるかが極めて重要になると考えられるが、現状では、この点の議論が成熟しているとは言い難い。そこで本研究では、AIに学習させるべき良質なデータをどのように社会に蓄積させていくかという問題意識を持ちながら、それを克服させる力を持つと考えられる行動経済学やフューチャー・デザインを中心に、更には哲学や法学、心理学、情報科学など学際的な見地から、人間とAIが共存する未来社会における経済制度や社会のあり方について、エビデンスを備えた検討をおこなうことを目的とする。当初研究計画では、対面での討議型実験をおこない仮想将来世代の意思決定データを集積していくことを予定していたが、コロナ禍で、被験者を呼んでの対面かつ長時間に及ぶ討議実験の実施が困難となってしまった。しかし今年度は、昨年度に引き続き、オンラインでの調査をおこなうためのインフラ構築に努め、最終的にはオンラインを利用した大規模調査をおこなうことができた。さらに論文の公表をおこなうなど進捗がみられた。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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