研究課題/領域番号 |
19K21712
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
亀田 啓悟 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80286608)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 財政不安 / 民間消費 / テキスト分析 / 家計調査 / fiscal VAR |
研究実績の概要 |
申請時の研究計画書に記したとおり,本研究ではテキストマイニングにより財政不安を指数化し、財政不安が民間経済に与える影響を考察することを目的としている。具体的には(1)不安指数を説明変数に加えた消費関数の推計、(2)不安指数を変数として含むVARによるマクロ経済分析、の二つを行う。 昨年度の実施状況報告書で述べたように、2020年度は、(i)財政不安指数の調整、(ii)『家計調査』利用の総務省への申請、(iii)fiscal VARの近年の動向を再サーベイしたうえで、財政不安指数を含めたVARを推計、の3点を予定しており、以下の結果を得ることとなった。まず(i)について、テキストマイニングの素材である日本経済新聞の記事の分析対象期間延長作業を行い、1984年から2017年までの指数を完成させた。次に(iii)について、第1次推定作業を行った結果、VARに含まれる変数に定常変数と非定常変数が混在することが明らかとなったため、VECMとFully-modified OLS/GMMの利用等の対応策を検討している。最後に(ii)についてはコロナ禍により思うような研究環境を構築することができず(i)(iii)に時間を取られたため、手が回らなかった。2021年度は早期に(1)(2)の研究結果をまとめ、学術誌への投稿を目指すことにしたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」で述べた通り,昨年度計画していた作業は,(i)財政不安指数の調整、(ii)『家計調査』利用の総務省への申請、(iii)fiscal VARの近年の動向を再サーベイしたうえで、財政不安指数を含めたVARを推計、の3点であった.しかし,これも上で述べたように,コロナ禍下にあって、アルバイトをうまく活用できない等、思うような研究環境を構築することができず、いくつかの遅れが生じた。2021年度は遅れを取り戻すべく努力したい。
|
今後の研究の推進方策 |
以下の3点の早期実施を目指す。(1)『家計調査』の利用を総務省に申請し、家計消費と財政不安との関係を個票ベースで考察する、(2)fiscal VARの近年の動向を再サーベイしたうえで、財政不安指数を含めたVAR,あるいはVECMを推計、財政不安の発生がマクロ経済に与える影響を分析する。(3)両研究の2021年度中の投稿を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用額が生じた理由)予定していた国際学会(International Institute of Public Finance, Western Economic Association International, Public Choice Society)への参加を見送ったため。 (使用計画)上記他の国際学会への参加
|