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2020 年度 実施状況報告書

民族誌データと数理モデルの融合による社会構造変動理論の構築:格差に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 19K21715
研究機関東北大学

研究代表者

瀧川 裕貴  東北大学, 文学研究科, 准教授 (60456340)

研究分担者 毛塚 和宏  東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (00805244)
藤岡 悠一郎  九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10756159)
田村 光平  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60725274)
柿沼 薫  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (20773401)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード不平等 / 災害 / 極端な気象現象 / 格差 / モンゴル / ゲーム理論
研究実績の概要

本申請課題の目的は、人間の社会構造における多様性の発生要因および発生過程を、とくに格差に注目して長期的スケールで説明可能なモデルを構築することである。本年度は、ナミビアおよびモンゴルでのフィールド調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症流行のため実施を延期することとなった。その代替として、すでに入手済みのモンゴルにおける家畜頭数推移の調査データを整備し、分析を行った。主要な結果としては、モンゴルにおいて2009-2010の雪害の後、ジニ係数で測定した家畜所有の不平等が拡大したということだった。このことは、自然災害が人間の社会構造、とくに格差に与える影響を実証的に明らかにした点で重要であり、本研究のモデル構築において説明対象とすべき基礎的事実となる。モデル構築については、実証研究で検討する予定の家畜頭数の不平等形成メカニズムについていくつかのシナリオに基づきロジックを比較検討した。例えば、あるシナリオでは、投資する遊牧民モデルを想定し、投資によって家畜成長のキャパシティを拡大することができるとの仮定のもとで、投資戦略の相違によりいかにして不平等が生じるかを検討した。また別のシナリオでは、牧畜と農耕という2つの生業への分散的投資の割合を戦略としてモデル化し、さらに環境変動を加味した場合に、いかなる戦略が均衡戦略となり、その下で財産の不平等の程度がどのようになるかを検討した。これらのシナリオについては、次年度に行う予定の実証研究との整合性を考慮しつつ、今後さらに洗練していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度に予定していたナミビアおよびモンゴルにおける現地調査が新型コロナウイルス感染症流行のため実施不可能となったため。

今後の研究の推進方策

今年度は現地調査を実施する予定であったが、新型コロナ感染症拡大のため、現地調査実施の見通しはかなり厳しいと言わざるを得ない。もし実施できない場合、研究期間の延長を申請する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症流行のため、予定したいたフィールド調査が実施不可能となり、旅費の執行を次年度に持ち越すことになった。今年度、感染症流行が収まれば、フィールド調査を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Flood-induced population displacements in the world2020

    • 著者名/発表者名
      Kakinuma Kaoru、Puma Michael J、Hirabayashi Yukiko、Tanoue Masahiro、Baptista Emerson A、Kanae Shinjiro
    • 雑誌名

      Environmental Research Letters

      巻: 15 ページ: 124029~124029

    • DOI

      10.1088/1748-9326/abc586

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 変容するアフリカの昆虫食文化:ナミビア農牧社会の事例2021

    • 著者名/発表者名
      藤岡悠一郎
    • 学会等名
      第65回日本応用動物昆虫学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Global Asessment of flood-induced displacementGlobal Asessment of flood-induced displacementGlobal Asessment of flood-induced displacement2020

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Kakinuma
    • 学会等名
      American Geophisical Union (AGU) 2020
  • [図書] Rethinking African Agriculture: How Non-Agrarian Factors Shape Peasant Livelihoods2020

    • 著者名/発表者名
      Goran Hyden, Kazuhiko Sugimura, Tadasu Tsuruta, Yuichiro Fujioka et al. (他6名)
    • 総ページ数
      198
    • 出版者
      Routledge
  • [図書] 文化進化の数理2020

    • 著者名/発表者名
      田村光平
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      森北出版
  • [図書] The Routledge Handbook of the Bioarchaeology of Environmental Change2020

    • 著者名/発表者名
      Schung, G. R.(ed), Nakao, H., Nakagawa, T., Tamura, K., Yamaguchi, Y., Matsumoto, N., Matsugi, T.et al.
    • 総ページ数
      552
    • 出版者
      Routledge

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公開日: 2021-12-27  

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