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2021 年度 実施状況報告書

民族誌データと数理モデルの融合による社会構造変動理論の構築:格差に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 19K21715
研究機関東北大学

研究代表者

瀧川 裕貴  東北大学, 文学研究科, 准教授 (60456340)

研究分担者 毛塚 和宏  東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (00805244)
藤岡 悠一郎  九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10756159)
田村 光平  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60725274)
柿沼 薫  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (20773401)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2023-03-31
キーワード不平等 / 災害 / 極端な気象現象 / 格差 / モンゴル / ナミビア / ゲーム理論
研究実績の概要

本申請課題の目的は、人間の社会構造における多様性の発生要因および発生過程を、とくに格差に注目して長期的スケールで説明可能なモデルを構築することである。本年度は、ナミビアおよびモンゴルでのフィールド調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症流行のため再度、実施を延期することとなった。その代替として、昨年度に引き続き、すでに入手済みのモンゴルにおける家畜頭数推移の調査データを分析した。分析により、モンゴルにおいて2009-2010の雪害の後、ジニ係数で測定した家畜所有の不平等が拡大したこと、家畜数の少ない世帯間での不平等がとくに顕著であったこと、災害で家畜を多く失った世帯ほど回復が困難となることなどを明らかにした。この研究は学会で報告され、国際誌への投稿を準備中である。また、雪害における格差拡大のメカニズムについては、個体群動態におけるアリー効果に着目した数理モデルを提案し、データを分析した。その結果については別個、学会にて報告し、国際誌への投稿を予定している。数理モデル構築については、ナミビアとモンゴルの事例を包括的に説明可能な一般性の高いモデルの作成を試みている。昨年に引き続き、牧畜と農耕という2つの生業への分散的投資の割合を戦略としてモデル化し、さらに環境変動を加味した場合に、いかなる戦略が均衡戦略となり、その下で財産の不平等の程度がどのようになるかを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度同様、予定していたナミビアおよびモンゴルにおける現地調査が新型コロナウイルス感染症流行のため実施不可能となったため。

今後の研究の推進方策

今年度は、現地調査が不可能であった場合、その代替として現地の調査会社等に依頼して、調査を遂行してもらう予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の流行により、予定していた現地調査の遂行が不可能になったため。今年度は、現地調査が不可能な場合、現地のエイジェントに調査依頼をする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 雪害がモンゴル遊牧民の格差を拡大させるメカニズム:アリー効果に注目した分析2022

    • 著者名/発表者名
      毛塚和宏,柿沼薫,田村光平,瀧川裕貴,藤岡悠一郎
    • 学会等名
      第72回 数理社会学会
  • [学会発表] 極端気象は経済格差を拡大する:モンゴルの牧民世帯別家畜頭数データによる長期的検証2022

    • 著者名/発表者名
      柿沼薫,田村光平,瀧川裕貴,藤岡悠一郎, 毛塚和宏,中村洋
    • 学会等名
      第69回日本生態学会
  • [学会発表] 食文化の観点からみた農牧複合とその動態:ナミビア農牧社会の食事セット分析の事例から2021

    • 著者名/発表者名
      藤岡悠一郎
    • 学会等名
      日本アフリカ学会第58回学術大会
  • [図書] 在来知と社会的レジリエンス サステナビリティに活かす温故知新2021

    • 著者名/発表者名
      藤岡悠一郎(分担)
    • 総ページ数
      151
    • 出版者
      筑波書房
    • ISBN
      9784811906041

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公開日: 2022-12-28  

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