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2020 年度 実施状況報告書

聴覚障害者のための自宅用コミュニケーション支援ツールの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K21717
研究機関筑波技術大学

研究代表者

井上 征矢  筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (80389717)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード聴覚障害 / コミュニケーション支援
研究実績の概要

前年度に聴覚障害者を対象に行った、画面の指さしで応答するコミュニケーション支援ツールが求められる場面や応答内容を把握する調査を継続し、回答者数を増やしてより詳細な分析を行った。その結果、やはり自宅訪問者や様々な店舗のスタッフとの応答で困る場合が多く、特に用件が決まっている場合や必要な情報をスムーズに伝えたい場合、正確性が求められる応答、マスクをつけた応答などでツールの活用が見込めることなどが確認された。
このような結果を受けて、これまでにiPad等のタブレット端末用に試作してきたコミュニケーション支援ツールについて、応答場面や応答内容の追加やUIデザインの改良を行った。
現段階までに制作した応答場面は、自身に聴覚障害があり、当ツールでの応答を望むことを伝える画面のほか、A)自宅訪問者との応答、B)外出先での応答、C)緊急時の応答、であり、それぞれ文字やピクトグラム等で構成した。
A)自宅訪問者との応答では、訪問者の目的の選択画面(郵便、宅配、公共料金、各種点検など)から、それぞれの種類の選択画面、それぞれに必要な応答画面(押印・サインの別、身分証の提示要求、代金や所要時間の確認など)へと進む。B)外出先での応答では、各種店舗で頻繁に行われる応答画面(例:商品や価格に関する質問、レジでの応答など)や、マスクをつけ、かつ正確性が求められる応答画面(例:クリニックや薬局における症状の説明など)の制作から始めた。C)緊急時の応答では、その種類の選択画面(救急、事故、火災、事件、その他)から、それぞれに必要な応答画面(救急の場合:症状の説明画面→必要な支援の選択画面)と続く形とした。またタッチペン等を使用することで、より詳細な応答もできるように、それぞれの応答場面に筆談スペースも設けた。
自宅や小規模な施設における情報保障の整備は遅れがちであるため、支援ツールを自装する取り組みも有効である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

聴覚障害者が求めるコミュニケーション支援場面の把握を終え、ツール内で必要な応答画面のUIデザインを行うことができたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、聴覚障害者が実際に街に出るなどして、その試作品のユーザビリティを評価する調査等ができなかった。

今後の研究の推進方策

これまでに行った調査結果のみでなく、新たに当事者の意見を参照しながら、必要と考えられる応答場面の追加制作や、ユーザビリティの向上につとめ、様々な場所・場面で、分かりやすく有効活用できるコミュニケーション支援ツールを完成させる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、聴覚障害者が実際に街に出て、その試作品のユーザビリティを評価する調査等ができなかったため、そのために必要な複数のタブレット端末の準備に関わる経費や、調査協力者への謝金等を使用しなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 画面の指さしで応答する携帯型コミュニケーション支援ツールのニーズに関する調査2021

    • 著者名/発表者名
      井上征矢
    • 雑誌名

      筑波技術大学テクノレポート

      巻: 28.2 ページ: 1-5

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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