研究課題/領域番号 |
19K21725
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川崎 浩二 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (60161303)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | 退院支援記録 / テキストマイニング / 共起ネット分析 / 期間別分析 / 担当職種別分析 / 転帰別分析 |
研究実績の概要 |
2003年4月1日から2019年3月31日までの16年間に長崎大学病院地域医療連携センターが療養支援・退院支援で介入した32,776名の患者についての支援記録のうち、入院日、退院日が未入力等の入力不備のデータクレンジングを行い、最終的に26,500名の患者の退院支援記録を分析対象データとした。退院支援記録のテキストデータの他に、担当職種(看護師、MSW)、支援依頼日、診療科、疾患分類、転帰(転院、在宅療養)、在院日数等24項目のデータもExcelファイルとして保存した。 テキストマイニングソフトウェア(KH-Coder)による分析の第1段階として、共起ネット分析を行った。 1)期間別の共起ネット分析結果:前半(2003~2011年度)の特徴は、①自宅退院(自宅・退院・看護・介護・保険・申請・支援)、②家族との相談・医師の説明に関わるキーワード(相談・家族・医師・報告・確認・入院)であった。一方、後半(2012~2018年度)の特徴は、①転院調整(転院・病院・受入れ・連絡・病棟)、②面談と患者希望、③診療情報提供に関わるキーワードグループが特徴的であった。 2)職種別の共起ネット分析結果:MSWの特徴は、①転院受け入れ病院との調整と可能性、②診療情報提供と転院受入れ、③患者家族の転院希望と主治医の意見に関わるキーワードグループであった。看護師の特徴は、①自宅退院、②介護保険申請、③在宅訪問診療、④利用できるサービス、⑤退院時共同指導・訪問看護ステーションに関わるキーワードグループであった。 3)転帰別の共起ネット分析結果:転帰が在宅の特徴は、①看護師の患者支援、②自宅退院、③在宅訪問、④医療についての説明、⑤サービス利用に関わるキーワードグループであった。転帰が転院の特徴は、①主治医との情報交換、②転院調整、③診療情報提供に関わるキーワードグループであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
退院支援記録のデータ整理・データクレンジングならびにテキストデータをテキストマイニングソフトウェア(KH-Coder)に読み込んだ時のエラーに対する対処に時間を要した。またテキストマイニングの手法修得のため、関連書籍を読んだり、KH-Coderの研修会受講等の準備にも時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
1) 第一段階(Correlationalアプローチ):①入退院支援記録データから「頻出語」リストを作成し、語と語の結びつきやテキストの部分毎の特徴分析(階層的クラスター分析、多次元尺度構成法、共起ネットワーク、対応分析)、②類似文書群の探索(クラスター分析 Ward法またはCLARAでクラスター化) 2)第二段階(Dictionary-basedアプローチ):①分析観点のコンセプトに基づいた「語」のコーディングルールを作成、②頻出「コード」間の関係性分析(階層的クラスター分析、多次元尺度構成法、共起ネットワーク、対応分析)、③テキストの部分毎の特徴分析(クロス集計、対応分析)、④コーディング出力結果を統計的に解析
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次年度使用額が生じた理由 |
62円という少額で購入すべき物品がなかった。翌年度の予算と合わせて物品費として使用する予定。
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