研究課題/領域番号 |
19K21729
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山本 秀樹 帝京大学, 薬学部, 教授 (50243457)
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研究分担者 |
増田 研 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (20311251)
林 玲子 国立社会保障・人口問題研究所, 国際関係部, 部長 (70642445)
野口 晴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90329318)
田宮 菜奈子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20236748)
大安 喜一 東京医療保健大学, 未登録, 特任教授 (50789576)
高柳 妙子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 日本学術振興会特別研究員 (30444706)
宮地 歌織 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 客員研究員 (40547999)
藤崎 竜一 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (00527442)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | ケニア / ナイロビ / キベラ / スラム / グローバルエイジング / 都市居住者 / 社会教育 / SDGs |
研究実績の概要 |
2019年度はキックオフ行事、現地調査、研究班会議を実施した。 <研究班の立ちあげーキックオフ会議> 1)第7回TICAD(東京アフリカ開発会議)のサイドイベント「アフリカの人口高齢化を見据えて高齢者ケアの「今」」に参加して、アフリカの高齢化に関する意見交換と啓発を行った。2)日本国際保健医療学会(三重市:12月8日)において、自由集会(global Ageing)を開催した。山本が「Global Ageing の政策研究 - 都市における高齢者の課題、SDGsの観点から」報告した。分担研究者の田宮、増田、林が世界の高齢者の国際会議(TICAD,APEC,G20,ICPD25他)について報告した。 <現地調査> 1)2020年1月3-11日、山本と分担研究者の高柳がケニア共和国を訪問して、保健省担当官のDr.Muhone Gituと意見交換、ケニヤッタ大学(KU)の公衆衛生大学院および教育学部、およびジョモケニヤッタ農工大学(JKUAT)医学部のDr.Thuo Wangari教授らと研究に関する打ち合わせを行った。両大学の研究者らと高齢者研究の必要性、本研究班との協力について合意が得られた。ナイロビ市のスラムであるキベラ地区において現地調査を実施した。高齢者6名(男1名、女5名)と聞き取り調査を行った。キベラ地区の医療施設の視察も実施した。これらの調査を通じて、劣悪な環境のもと家族と助け合いながら長生きをしている高齢者たちの生活実態を知ることができた。 2)今後のアフリカでの高齢者に対する政策策定にアジア地区の知見を活用することが必要であり、分担研究者の大安がアジア地区におけるユネスコの教育セクター、CLC(community Learning Center)と高齢者について調査を実施し、地域社会における「共助」と社会教育に関する基礎情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画のうち、2カ国(ザンビア・ケニア)のうち、1カ国しか年度内に訪問できなかったが、ケニヤッタ大学との協定(締結準備)、ナイロビ・キベラ地区での現地調査など、充実した調査研究を実施ることができた。ナイロビ・スラム地区のHDSS取得に関しては十分な情報をえることができなかったが、現地の大学研究者との協力関係が構築できたので、今後データ分析を計画していきたい。 2020年1月に実施したケニア共和国において、2020年3月9-17日に南アフリカ共和国、ケニア共和国の現地調査を企画したが、コロナウイルス感染症が東アジアから世界全体に広がるパンデミック状態となり、急遽出張が中止となった。 2020年4月19日 に東京都板橋区において開催予定であったアフリカ教育学会において、山本がシンポジウムの基調講演「アフリカにおける高齢化」について本研究班の知見を報告する予定であったが中止となった。 2020年5月6-13日に、共同研究者であるケニア共和国ケニヤッタ大学公衆衛生学研究科・研究科長のMargaret Keraka教授を帝京大学に招聘する予定であったのがキャンセルとなった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、本研究の遂行について非常に大きな困難な状況である。2019年度末の2020年2月に我が国で最初の感染例が報告されて以来、2020年2-3月にかけて、新型コロナウイルス感染症が東アジアからヨーロッパ、北米へ拡がり、世界中に進展した。本研究事業の調査対象地であるケニア共和国でも最初の患者が3月12日に報告されて以来、コロナウイルス感染症のアウトブレイクが拡がっている。 このような状況で我が国からアフリカに渡航できない状況が長期化することが懸念される。2020年中にパンデミックがコンロロールされて国際航空便が再開され渡航可能となっても、検疫のため10日以上隔離されることが予想される等、日本国内に拠点を置く本研究班の班員が、海外現地調査研究を実施することが見通せない状況であり、本研究事業を遂行することが非常に困難な状況である。研究計画自体を見直すこと、海外の共同研究者らと遠隔会議システムを活用して連絡を取り合うこと等を検討する。 また、新型コロナウイルス感染の致死率が高齢者で高いこと、人口密度の都市部スラムで発生例が多いことが報告されており、本研究のテーマである「アフリカ都市居住高齢者ケアの政策」にも関わることであり、当初予定されていなかった研究課題として検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年2-3月に予定していた、海外調査研究(ザンビア共和国、南アフリカ共和国、ケニア共和国)への出張が中止になったことにより、旅費の執行額が下回った。
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