研究課題/領域番号 |
19K21744
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
大西 淳児 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30396238)
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研究分担者 |
坂尻 正次 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (70412963)
三浦 貴大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80637075)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 視覚障害 / 情報保障 / 支援技術 / マルチタスク処理 |
研究実績の概要 |
本研究では,これまでの視覚障害者との情報共有に使われる基本メディアとなっている音声や点字のような一次元ベースの情報獲得支援方法の枠組みを超えて,マルチタスク処理作業を可能とする情報獲得支援の方法の創出を目指している. 本年度の研究では,パソコン上で作業する差に発生するアプリケーションウィンドウの切り替え操作の負担について評価を行った。その際、キーボードとは別に切り替え操作を支援する小型のショットカットキーデバイスを用意し、その効果を評価した。その結果、ショートカットボタンを利用した場合、作業に必要な記憶保持に対して有効に働く傾向が見られた。また、主観的な負担感のインタビュー調査においても、記憶保持が楽に感じている被験者が多かった。これは、スクリーンリーダによる音声フィードバックの割込みがコンピュータから獲得して記憶に保持すべき情報を記憶する際の阻害要因に1つになっていると言え、音声言語という表現形式とは別のアプローチを使うことが、作業記憶の負担軽減を進める上で重要であることを示唆していると考える。つまり、必要な情報をアプリケーション上の画面からスクリーンリーダーで獲得する際に、そもそも、画面上のどの位置を読んでいるのか、もしくは、必要とする情報の位置を探る動作をしていた場合には、読み上げ位置の調整に関連する情報が音声言語でフィードバックされることになる。この場合、言語理解の負担などが発生することによって、別の情報を記憶することが困難になりやすいということを意味している。そのため、よりパソコン上での作業効率を上げるためには、スクリーンリーダーのフィードバック部分の方法を見直を必要とすると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍において多くの実験協力者による評価実験等が実施できず、課題解決に必要となる各種評価等を進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当面、コロナ禍の影響を受けることを想定し、課題解決のために実施する評価モデルの検討と評価機器・ソフトウェアの開発を中心に進めることとする。また、様々なVR機器を適用した新たなモデルの検討を進め、斬新なアイデアに基づくアプローチで課題解決を試みることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、当初予定の旅費支出が発生しなかったこと、また、研究遂行に当たって必要となる評価実験などの実施が困難となった。また、評価モデル生成とその作業計画が大きく影響を受け、当初予定した予算執行に遅れが生じた。次年度では、当初予定した計画に沿って、評価モデルの作成と実地の評価分析を行い、研究課題の解決を試みる予定としている。
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