研究課題/領域番号 |
19K21750
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
弓山 達也 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (40311998)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | いのちの教育 / 道徳 / 教科書 / 環境教育 / 感染症対策 / スペイン風邪 |
研究実績の概要 |
2020年度は前年度より継続している全ての道徳教科書から「生命尊重」の項目を抜き出し、テーマと教材をデータベース化し、これを「道徳教科書における「生命尊重」―テーマと教材、そして死の取り扱いについて―」として『いのちの教育』5号(2020年5月)に公開し、さらにこれを発展させて日本宗教学会で報告した。また今年度は当初、いのちの教育のモデル校を選定し、資料収集と聞き取り調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルス拡大防止の観点から教育現場の協力が得られず、十分な調査ができなかった。 しかしいのちの教育と地域教育・環境教育・平和教育・防災教育を架橋するという本課題の目的を遂行するため、環境教育との関連を文献調査(一部実地調査を含む)にて実施した。ここでは水俣病を題材としたいのちの教育の教材作りを進め(現在、投稿中)、同時に東日本大震災による原発事故の学習とボランティアに関する考察(論文として公開)を行った。 またコロナ禍におけるいのちの教育のあり方を模索するため、感染症と宗教文化との関連をスペイン風邪禍に探るべく、これも文献調査を実施した。具体的には朝日・毎日・読売新聞のデータベースを活用してスペイン風邪に関する年表作成に着手した(神道国際学会等で報告)。同時に地方における動向を探るべく福島民報・福島民友・福島新聞から福島県下のスペイン風邪禍状況を確認した(福島県立図書館にて文献調査を実施)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス拡大防止の観点から予定されていたモデル校の大会・研究発表会が中止となった。また緊急事態宣言下の東京からの訪問が制限され、本来実施すべき聞き取り調査ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終的な目標は、いのちの教育とこれに関わる地域教育・環境教育・平和教育・防災教育との架橋をはかることで、文献研究(一部実地調査を含む。具体的には水俣病や原発事故の学習を中心とした環境教育とスペイン風邪禍における文化的対応)にシフトして、これを追究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス拡大防止の観点から聞き取り調査が実施できす、旅費の支出が大きく減ったため次年度使用額が生じた。 次年度は引き続き対面での調査ができないことも考慮に入れ、「今後の研究の推進方策」に述べたように文献研究にシフトとするとともに、2022年2月12日に研究集会を開催し(遠隔・対面双方に対応できるよに準備)、その準備を通して「いのちの教育」の事例を収集し、初期の目的を完遂する。
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