研究課題/領域番号 |
19K21764
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中野 聡子 (金澤聡子) 群馬大学, 教育学部, 准教授 (20359665)
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研究分担者 |
原 大介 豊田工業大学, 工学部, 教授 (00329822)
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 教授 (50323324) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 手話言語 / 言語適性テスト / 第二言語習得理論 / 日本手話 |
研究実績の概要 |
日本では第二言語習得理論(SLA: second language acquisition)に基づいた日本手話習得・通訳養成カリキュラムの開発が遅れており,公的資格「手話通訳士」の認定試験合格率が低い。本研究では学習者の手話言語習得に関わる適性を把握し,適正プロフィールを活かした効果的な日本手話習得指導につなげるために,手話言語版MLAT(Modern Language Aptitude Test:現代言語適性テスト)の開発とその活用について検討することを目的としている。 2020年度は,音声言語と手話言語における言語適性研究について文献的検討を行い,手話言語も自然言語であることから,音声言語と同様に,言語分析能力,音韻的能力,記憶力,ワーキングメモリ等が適性の構成要素として考えられることを示した。 また,zoomを利用した日本手話習得指導の授業について,受講者の手話表出データを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手話言語のみならず音声言語の言語適性研究についても広く概観することで,認知的要因を主とした手話言語の適性要素を仮定することができた。 また,日本手話習得に関わる授業をzoomで実施したことにより,成人の日本手話学習者の初期のつまずきや,そのつまずきの解消過程に関わる詳細な記録を得ることができた。 これらの理由により,おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
手話言語の言語適性について,言語分析能力,音韻的能力,記憶力,ワーキングメモリ等を適性の構成要素と仮定し,2020年度にzoomを利用したオンライン授業の実施によって収集した成人日本手話学習者の手話表出データから,適性要素に関わる表出状況を分析することによって,「日本手話学習能力適性テスト」を開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は,収集した手話表出データの分析について,共同研究者と対面で打ち合わせの機会を持つことができず,旅費に関わる使用が少なかった。 2021年度は,引き続き対面での打ち合わせが困難な場合は,大量の手話表出データを共同研究者と共有するためのクラウドシステムの使用契約,また,テスト作成のための機材や動画編集ソフトの購入にあてていく。
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