研究課題/領域番号 |
19K21765
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
園山 大祐 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80315308)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 不登校 / 中途退学 / 進路選択 / 教育機会 / 教育社会学 / 比較教育 / 中等教育 / フランス |
研究実績の概要 |
本研究目的は、ヨーロッパ連合(EU)における早期離学(ESL)および就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない(NEET)人に向けた政策比較にある。なぜなら、日本には不登校や中退、離職後の若いNEET(18から24歳)の無償の学び直しは充分に用意されていないからである。昨年度は、日本比較教育学会にてEUレベルの政策分析とフランスの動向を示し、政策課題を整理した。その上で、2000年代以降に早期離学(Early School Leavers)、不登校(Truancy)の課題をどのような対策と考えの下普及させ、減少させたか、EUと加盟国(フランス)の政策力学に注目した。学校離れ、不登校との関係や、家庭背景による経済的要因、社会学的要因(外国人・移民)、あるいは心理的要因(家庭内暴力、虐待、ネグレクト、障がい)、さらには学業との関係から説明するものなど様々な要因と対策について明らかになった。あるいは、フランスの取り組みの特長として省庁の連携があげられる。学校以外の機関との連携による学齢期を超えた若者の対策事業として機能している点が明らかとなった。 今後の課題としてEU地域圏において早期離学率を減少させてきたという成功例(フランス)から、よりマクロな政策比較研究の枠組みを構築する必要があると考える。また日本においては不登校、いじめ、自殺に対する政策が充分な効果がみられないこともあり、まずは単独の研究としてEUレベルと国(フランス)レベルの研究から日本への示唆を検証してみたい。今後は、EU、フランスともに2000年代に20%近くあった早期離学率を10%まで半減することに成功した要因は何か。特に学齢期後の若者の教育ないし訓練機関に復学させる機会保障について検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの発生により、当初予定していた現地調査が実施できなくなったため。文献収集においても現地図書館の利用ができなかったため、書籍以外の論文の収集ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
新年度においてもコロナウィルスの感染症対策のために現地調査ができるかわからないため、文献を中心に政策分析を進める。たほう、ネットを通じたインタビューなども可能な限り挑戦し、情報収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス発生のため海外出張ができなく、海外からの招聘も実現できなかったため。次年度は、海外からの招聘し、国際シンポジウムを企画している。また代表者の国内外出張を予定している。
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