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2021 年度 実施状況報告書

日欧における不登校の復学に向けた政策比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K21765
研究機関大阪大学

研究代表者

園山 大祐  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80315308)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2023-03-31
キーワード早期離学 / 中途退学 / 不登校 / 教育機会 / ヨーロッパ / フランス / 比較国際研究 / 教育社会学
研究実績の概要

本研究の目的は、ヨーロッパ連合(EU)における早期離学(ESL)および就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない(NEET)人に向けた政策比較にある。2021年度は、日本教育政策学会、日本教育学会等の課題研究で報告を行った。2020年3月のパンデミック宣言後の日本とフランスの学校閉鎖、再開、その後の2年間を追跡し、早期離学、不登校、遠隔やデジタル教育の課題を追求した。どのような対策と予防策の元、学校を維持したのか。教師はどのような状況にあったのか。文部大臣の発言を含めた政策動向の背景要因を分析した。くわえて、学業面の支援体制、この間のコロナ禍にみる学力の損失や遅れへの考え方、教職員への保障対策、保護者への説明責任など日本と欧州では異なる様子がみられた。科研の課題ではなかったが、国際比較の観点から、アフリカ、中東、北米、南米など世界24カ国の研究者および学生の調査をまじえた国際共同研究をオンライン、メールベースで実施した。これらの研究成果は、2022年2月末に1冊の書籍にまとめることができた。
今後は、直接海外の学校調査や、研究者との交流を目指したい。また、日本でも、海外でもコロナ禍の2年間で、確実に格差が拡大しているため、不登校や学業不振への対策はますます充実させなければならない。各国がいかなる政策を行うか注視したい。また格差の実態についても考察を深めたい。新年度では、国際的なセミナーなども企画し、日本の不登校の復学に向けた示唆について、明らかにしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

コロナ禍に現地調査はできなかったが、オンラインやメールベースでインタビューや原稿のやり取りが実施できたため、書籍の刊行に結びつけることができた。また22年9月刊行予定の別の本も同時並行で進めている。こちらもコロナ禍に直接学校現場の教職員にインタビューを重ねることができなかったため、フランス側の研究者とオンラインで議論をし、寄稿をお願いし、まとめることができた。

今後の研究の推進方策

この2年間、現地調査ができずにおり、実際の子どもたち、保護者たちの声が聞き取れないでいる。
新年度は、そうした生の声を直接、現地で見聞きすることが、研究の推進には欠かせない。同時に、新たな研究者との交流も不可欠となる。パンデミック宣言後の遠隔・デジタル教育の推進により、不登校支援の新しい動きもみられるため、そうした領域の研究者や実践家に直接お話を聞く必要がある。
また日本の不登校支援との比較という意味では、昨年度から始めた不登校特例校の調査を継続する予定である。コロナの状況次第であるが、全21校を訪問調査できればと考える。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため、欧州および国内の調査、および学会参加のための出張ができなかったため、旅費が使用できていない。次年度は、コロナ禍の調査が可能となれば、海外調査を始め、国内の学校調査を含めた旅費が使用可能となる。2年間実施できていない海外調査を中心に実施する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Inequality in the Academic Achievement and Trajectory of “French Students with an Immigrant Background” and the Working Class : The mechanism of self-selection and marginalisation in secondary education2022

    • 著者名/発表者名
      Sonoyama Daisuke
    • 雑誌名

      Osaka University Knowledge Archive : OUKA

      巻: 8 ページ: 55-74

    • 国際共著
  • [雑誌論文] 国際比較に見るCOVID-19対策が浮き彫りにした教育行政の特質と課題2021

    • 著者名/発表者名
      園山大祐, 辻野けんま, 有江ディアナ, 中丸和
    • 雑誌名

      日本教育行政学年報

      巻: 47 ページ: 25-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 教育義務とコロナ対応にみるフランスらしさ2021

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 雑誌名

      フランス教育学会紀要

      巻: 32 ページ: 87-92

  • [雑誌論文] コロナ禍におけるデジタル教育の課題2021

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 雑誌名

      日仏教育学会年報

      巻: 28 ページ: 31-35

  • [学会発表] ヨーロッパの教育政策にみる早期離学と進路保障―学校から離れる若者、多様な学び方と教育訓練の場―2021

    • 著者名/発表者名
      園山 大祐、斎藤 里美、小山 晶子、 布川 あゆみ、見原 礼子、有江 ディアナ、二井 紀美子、林 寛平、本所 恵、丸山 英樹、中田 麗子
    • 学会等名
      日本比較教育学会
  • [学会発表] コロナ危機対応教育政策の国際比較:初等中等教育の授業実施状況から2021

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 学会等名
      日本教育政策学会
  • [学会発表] What is Mispresented, and What is Unknown in the Educational Attainment of immigrant Descendants Living in France2021

    • 著者名/発表者名
      Sonoyama Daisuke
    • 学会等名
      日本教育学会
  • [図書] コロナ禍に世界の学校はどう向き合ったのか―子ども・保護者・学校・教育行政に迫る―2022

    • 著者名/発表者名
      園山大祐、辻野けんま
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      東洋館出版社
    • ISBN
      9784491047607
  • [図書] 公教育制度の変容と教育行政2021

    • 著者名/発表者名
      日本教育行政学会研究推進委員会、横井 敏郎、滝沢 潤、佐藤 智子
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      9784571101946

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公開日: 2022-12-28  

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