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2023 年度 実績報告書

日欧における不登校の復学に向けた政策比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K21765
研究機関大阪大学

研究代表者

園山 大祐  大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (80315308)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2024-03-31
キーワード早期離学 / 中途退学 / 進路選択 / 教育機会 / 不登校 / フランス
研究実績の概要

日本では特に、2016年以降の教育機会確保法の施行から、適応指導教室、不登校特例校および夜間中学校、そしてフリースクールなどが不登校や学校に不適応がある生徒の受入れ先を確保してきた。2022年度はこれらの施設を訪問調査してきた。この訪問調査を通じて、日本における不登校、中途退学のリスク要因そして、介入や補償教育のあり方について意見交換をすることができた。この知見を、ヨーロッパに広げて、イギリス、ドイツやフランスにおける状況を調査した。コロナの影響を受けつつも、日本より早くアフターコロナ社会に戻りつつあるため、コロナ以前の早期離学状況から改善が両国ではみられている。フランスにおいては、この3年間で2%以上の数値上の改善もみられ、概ね、早期離学状況は改善され、政策の効果があると考えられる。
他方で、ドイツのような早期分岐型教育制度においても隠れた不登校、欠席児童生徒の問題や、不本意な進路選択の事実が聞かれ、数値には見えない隠れた課題として早期離学問題に対する政策関心あるいは現場の教員の関心があることが聞かされた。またコロナの影響をうけ、早期離学率は上昇傾向にある。イギリスは、EU離脱後、NEETに対する取組が行われていて、学齢後の若者支援に重点が置かれている。
特に近年の教師の社会的地位の低下や働き方に関して、実態を明らかにすることで、管理職、教師が生徒を取り巻く学校の環境が悪化している状況について多くの課題を3か国共通に抱えていることが明らかとなった。
以上を踏まえた早期離学の日欧における共通課題を見出すことが可能と判断できた。今後はより現場における課題を訪問調査から析出し、国際比較の観点から公教育の課題と若者の進路選択の課題に迫りたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 21世紀に求められるフィールドワーカーによる比較教育研究-エスノセントリズムを乗り超えて-2024

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 雑誌名

      比較教育学研究

      巻: 68 ページ: 239-254

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 義務教育後の教育保障を考える―フランスの夜間高校の事例からー2023

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 雑誌名

      教育PRO

      巻: 53(11) ページ: 26-27

  • [学会発表] 日本の外国人就学保障の現状と課題:制度上の差別と部分的な包摂2024

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 学会等名
      フランス・コートダジュール大学「移民と社会」研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 日仏における移民出自の背景を持つ子どもの進路形成2024

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 学会等名
      明治学院大学シンポジウム
  • [学会発表] フランスのセカンド・チャンス教育の特質 -職業参入に向けた取り組みを通して-2023

    • 著者名/発表者名
      園山大祐
    • 学会等名
      日本比較教育学会研究大会
  • [図書] 世界の学校2024

    • 著者名/発表者名
      園山大祐、辻野けんま
    • 総ページ数
      270
    • 出版者
      放送大学教育振興会
    • ISBN
      9784595324468
  • [図書] 若者の権利と若者政策2023

    • 著者名/発表者名
      宮本 みち子、末冨 芳、秋田 喜代美、宮本 みち子
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750356594

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公開日: 2024-12-25  

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