研究課題/領域番号 |
19K21773
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
深谷 達史 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70724227)
|
研究分担者 |
児玉 佳一 大東文化大学, 文学部, 講師 (30824776)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 教師の指導力 / 授業ビデオ / 学習方略 / PCK / 教師の専門的視点 |
研究実績の概要 |
2020年度(2年目)は,主に2つの研究を進めた。 まず,1年目に作成した「授業映像を活用したオンラインツール」を用いて,小学校教員150名を対象にweb調査を実施した。6年生算数の15分程度の授業映像を視聴してもらった上で,①授業のよい点,②授業の改善点,③具体的な代案についてコメントの記述を求めた。また,あわせて教師効力感(Tschannen-Moran, & Hoy, 2001)などの心理尺度への回答を求めた。今後,コメントデータのコーディングを通じて得点化を行った上で,コメントと心理尺度との関連を検討することを計画している。 次に,教職志望学生を対象とした調査をあわせて実施した。特に,2020年度は,認知心理学を基盤としながら学習につまずきのある児童生徒への個別相談を行う「認知カウンセリング」という活動に取り組む学生を対象とし,データ収集に着手し始めたところである。今年度,そうした活動に取り組んだ経験のない教職志望学生との比較を通じて,認知カウンセリングの経験が,授業コメントにどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを試みる。 最後に,関連する研究として,教師が授業を視聴してコメントするために活用するであろう,学習指導に関する専門的知識の様相を調べる調査も並行して進めた。この調査の結果は,日本教育工学会の2020年度全国大会において報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,現職教員を対象とした研究と教職志望学生を対象とした研究を一定程度進めることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度(3年目)においては,収集したデータの解析,特にコメントデータの得点化を進めるとともに,認知カウンセリングに取り組む学生とそうでない学生を対象としたデータを更に収集し,両者の差異を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
データ収集においてweb調査会社を通じて調査を実施したところ,当初想定していたよりも少額な金額でデータを収集することができたことなどによる。次年度使用額を謝金として使用することで,2021年度は計画より多くのサンプルを収集する。
|