研究課題/領域番号 |
19K21778
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高橋 利行 宮崎大学, 産学・地域連携センター, 准教授 (30329502)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 相互「関係人口」化 |
研究実績の概要 |
本研究では、学生が地域の「関係人口」となることを促進する教育プログラムの構築を第一の目的としている。第二の目的としては、長期的な視野に立ち、学生と地域、地域と地域が双方向性をもった、相互「関係人口」化の全体構造モデルを組み立てることを目指している。 2019年度においては、西都市銀鏡(しろみ)地区を対象として、地域課題の発見から、解決案の検討、実践までを行うプログラムを実施した。あくまでも、事例検討の域を出ないものであるとともに、目新しい発見とはいえないが、学生の活動への意欲が促進されるポイントとしては、実際に地域に出向き、地域の人と直接交流したとき、そして、そこで、歓迎された(喜んでもらえた)ときであることが再確認された。 また、本研究では、教育プログラムの開発を、地域と大学が互恵性をもったものとして行うことで、持続性の高い仕組みとすることを目指しているが、地域(特に、過疎化等の問題を抱え、大学生のような年代の住民が少ない地域)の住民(特に、子ども)にとっては、大学生という存在そのものが、大きな力と可能性をもつものであることが実感された。地域の子どもにとっては、大学生と何をするかではなく、大学生と会えるということそのものが大きな喜びとなっていた。この子どもたちの反応が、大学生にとっても、次の活動への意欲を促進するものとなり、よいサイクルが形成されることが期待される。 さらに、実際に地域に出て活動した学生(今回は3年生)が、これから地域についての学習を始める学生(今回は1年生)向けに、活動について伝える機会を設けることで、お互いに効果があることも確かめられ、ここにも望ましいサイクルが見受けられた。これらのサイクルを繋ぎ合わせて、いくつもの歯車が噛み合って、全体が回り続けるような仕組みの構築を目指していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の段階では、実施するプログラム間で、さまざまな要因(敢えて、阻害要因となるようなものも含めて)の組み合わせを変えて実施、比較することで、分析を行うことも考えていたが、実際には、比較実験のようなプログラムの実践は困難であった。 また、2019年度末から2020年度初めにかけて、コロナの影響もあり、地域での実践については、今後も見通しが立たない。
|
今後の研究の推進方策 |
人の移動・交流を自粛する中で、学生と地域の関係を、どのように構築できるのかについても検討を進めてみたい。コロナの状況に対応した研究の進め方を考える必要がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度末に使用を予定していた旅費、謝金等で、コロナの影響もあり、実施できなかったものが発生した。無理に使用せず、次年度以降に、研究計画に基づいて、有効に活用することを考えたい。
|