研究課題/領域番号 |
19K21778
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高橋 利行 宮崎大学, 研究・産学地域連携推進機構, 准教授 (30329502)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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キーワード | 関係人口 / 相互「関係人口」化 |
研究実績の概要 |
本研究では、学生が地域の関係人口となることを促進する教育プログラムの構築を第一の目的としている。その際に、長期的な視野に立ち、学生と地域、地域と地域が双方向性をもった相互「関係人口」化として全体構造を検討することとしている。 2023年度においては、これまでの検討で提示してきた3軸モデルを、適用範囲を拡大したモデルとして再構築するための検討を行うことを目的として、モデルの構築作業と、そのモデルを相互「関係人口」化に向けた教育プログラムの構築にどのように活用できるのかについて検討、考察を行った。 モデルの構築作業では、3軸モデルのX軸、Y軸で学生を地域に置き換え、Z軸で地域を学生に置き換えることなどによって、相互「関係人口」化の全体を検討することに適用範囲を拡大したモデルとして再構築を行うことができた。研究の構想段階では、学生が地域の関係人口になることが基点となると想定していたが、相互「関係人口」化への順番は固定的ではないことなどが明らかになってきており、地域が大学(学生)の関係人口になることと合わせて検討できるようになったことの意味は大きいと考えられる。 適用範囲を拡大したモデルを活用した検討・考察では、学生と地域それぞれの意識・行動やニーズとの合致度については、ループサイクルのような相互関係が成立していること、学生が地域の関係人口になることと、地域が大学(学生)の関係人口になることとは、それぞれ別の方向として捉えるだけではなく、同時に進めていくことが教育プログラムの立案(や実施)の際の視点として有効なものと考えられることなどが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の段階では、実施するプログラム間で、さまざまな要因の組み合わせを変えて実施し、比較検討・分析することなどを想定していたが、実際には比較実験のような教育プログラムの実施は困難であった。また、検討を進める中で、相互「関係人口」化については、必ずしも一般化が望ましいとはいえず、事例発見的に、ケースに即して有効となる適応解を積み重ねることの重要性がみえてきており、研究計画を変更しながら進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの実践を通して、相互「関係人口」化の1つの現れともいえる地域との関係性が築かれてきているので、同じ地域での実践を継続的に行い、関係人口としての継続性(3軸モデルのY軸)などについて、さらに検討を進めたい。人の移動、交流等への制約が緩和されてきている状況の中で、オンラインの利活用、併用等の工夫も取り入れながら、研究計画の検討、研究の推進を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画・方針の変更の必要性に関する気づきと、コロナ等への対応を考慮した教育プログラム実施の縮小や自粛などがある中で、研究機関の延長を視野に入れて、無理な使用、無駄な使用は避けるように考えた。2024年度は期間の最終年となることを念頭に、経費の有効な活用ができるように、コロナ等への対応も意識しつつ、積極的な取組事例の実践を積み重ねられるように使用することを予定している。
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