研究課題/領域番号 |
19K21781
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
島谷 康司 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (00433384)
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研究分担者 |
島 圭介 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50649754)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | Drone / 姿勢制御 / 風船 / 歩行支援 |
研究実績の概要 |
筆者らは、無秩序に浮遊する風船把持静止立位に代わり、ドローンを被験者の頭上でホバリングさせ、ドローンに取り付けた紐を把持させたときの静止立位の姿勢動揺低減効果を検証した(Shimatani,et,al.、2019)。その後、スペクトル解析を風船やドローンの把持の有無における身体動揺に対して適用し、静止立位姿勢動揺低減効果の要因の特定を試みた。対象は、健常若年成人5名とした。姿勢動揺計測には、フォースプレート(TF-3040、テック技研社製、サンプリング周波数:5kHz)2 台を用いた。被験者には、隙間なく並べた2台のフォースプレート上に、目を閉じた状態でタンデム立位をとらせた。実験条件はNC 条件、ドローンを1N 以下の力で把持させた条件(DRL 条件)、ドローンを1N 以上の力で把持させた条件(DRF 条件)、BL 条件の4条件とした。重心動揺解析の結果では、NC 条件と比較してDRF、DRL、BL 条件の順で身体動揺の低減効果を示した。これは指先に加わる力の大きさの順と同じであることから、指先に加わる力が大きいほど高い身体動揺の低減効果を得られる可能性を示唆している。また、スペクトル解析の結果から、NC 条件と比較すると風船・ドローン把持条件では前庭・体性感覚系由来の周波数帯域のパワースペクトルの有意な低減が認められ、前庭感覚・体性感覚系優位な姿勢制御戦略に変化したことで姿勢動揺が低減した可能性が示唆される。これは、浮遊風船・ドローンを把持することによって指先に加わるわずかな力が体性感覚系刺激となり、立位状態を前庭感覚・体性感覚系優位の制御状態へ変化させたことが要因だと考えられる。つまり、浮遊風船・ホバリングさせたドローンによって指先からの体性感覚系フィードバックが可能であり、重心動揺を低減する姿勢制御支援玩具として利用できる可能性が示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験室でのDroneによる姿勢制御の検証(Drone制御、姿勢制御検証)はおおむね順調に進んでいたが、コロナ感染症のため、子どもの実践現場における検証が全く進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染症の影響を考慮しつつ、Droneを用いた実践現場における子どもの姿勢制御の検証を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症のために、実践現場におけるDroneを用いた子どもの姿勢制御実験が全く行えなかった。実践現場での実験を行うために、実験機器購入費用や旅費などを計画している。
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