子どもの生体リズム改善を目指す教室座席のあり方の提案

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K21785
• 研究機関: 日本体育大学
• 研究代表者: 野井 真吾 日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)
• 研究期間 (年度): 2019-06-28 – 2022-03-31
• キーワード: 教育生理学 / 学校保健学 / 教育環境 / 睡眠 / メラトニン

研究実績の概要

本研究は，教室座席と子どものメラトニン分泌パタンとの関連を検討することにより，子どもの生体リズム改善を目指した教室座席のあり方の提案することを目的としている．各年度の研究計画は，2019年度：プレ調査，2020年度：本調査，2021年度：予備調査である．1年目である2019年度は，調査校の都合により予定されていた小学生から中学生に対象者を変更して，概ね予定通りのプレ調査を実施することができた．具体的には，中学生83名を対象として2019年11～12月の時期に，唾液メラトニン濃度測定，生活状況調査（睡眠状況，電子メディアの利用状況等），照度測定，身体活動量測定を実施した．その結果，教室座席の位置が窓側から1・2列目の窓側群とそれ以外の対照群とでは，1.3倍の平均照度の差が確認された．また，対照群と窓側群の各睡眠状況，スクリーンタイムを比較したところ，対照群のメラトニン（夜）が窓側群のそれに比して有意に高値を示した．その他，次年度に予定されている測定・調査の研究協力校との打ち合わせも予定通り実施することができた．

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は，研究協力校の変更やそれに伴う調査時期の遅れはあったものの，予定されていた教室座席と子どものメラトニン分泌パタン，睡眠状況等との関連のプレ調査を当該年度内に実施することができた．そのため，おおむね順調に進展しているものと考える．

今後の研究の推進方策

当初の計画に変更はないものの，令和2年度に教室座席と子どものメラトニン分泌パタン，睡眠状況等との関連の本調査は，新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえた研究計画の修正を余儀なくされており，現在，測定・調査の「延期」もしくは「中止」も視野に入れてその実施時期を検討中である．

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って参加予定の学会が中止になったため．計画されていた旅費の支出が次年度に見送られたため．