研究課題/領域番号 |
19K21787
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小田 光康 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (10724130)
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研究分担者 |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
井上 智 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (90213157)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | ゲーミフィケーション / メディア教育 / 狂犬病 / 感染症予防 |
研究実績の概要 |
本研究は狂犬病予防のためにゲーミフィケーションの手法を用いたメディア教材を開発し、その効果を狂犬病発生地であるタイ北部の児童に対して測定し、効果が認められた場合には社会実装することを目的とした。 2019年度は調査対象の選定を実施した。タイ国内では狂犬病被害が多い地域の特徴として、山岳少数民族や不法移民・難民などタイ語を母語としない住民であること、就学率が低い地域であること、医療機関が無い地域である。これらを満たすタイ・チェンマイ県内で探索した結果、オムコイ郡内のラフ族集落を選定した。 また、2019年9月にはタイ・チェンマイ市内でチェンマイ大学医学部・獣医学部が主催した「One Health」の学会で本研究の取り組みを発表した。この際、米国CDCバンコク事務所が実施しているタイ・サムイ島での狂犬病予防の取り組みと本研究が類似しているため、CDCと協力しつつ、本研究を進めることで合意した。_ ラフ族集落の長老と女性リーダーと話し合いの機会を持ち、調査協力の確約を得た。ただし、2020年度と2021年度は新型コロナ禍のために、実施予定であったタイ北部でのメディア教材の開発と、効果測定ための地域介入研究ができなかった。このため、教材開発に必要となる機材を購入して教材開発準備を進めると共に、タイ北部の調査地での協力者とオンラインで会議を実施するなどで、この研究の遅れを補填できるように努めた。 ただ、研究対象が主に就学前と小学校の児童であり、対面での調査が不可欠であるため、研究がほとんど停止した状態であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ禍がこれまで2年以上継続しているため、調査対象地であるタイ北部への海外調査が不可能となったため。調査対象の小学校も海外研究者による現地調査を受け入れ不可能な状況が続いている。他の調査対象を2021年度に探索したが、現時点では見つかっていない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ禍が日本とタイで収束し、渡航可能になった時点で、現地の調査協力者であるタイ国立チェンマイ大学の研究者と共に、再度、調査協力可能な小学校などの調査対象を再選定することが必要となる。 また、2022年にチェンマイ大と国内の狂犬病研究会で予定している「狂犬病デー」の研究会で本研究の中間発表を実施するほか、新たな研究対象や方法についてその場で意見を求める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ禍のために研究調査の対象地であるタイ北部への渡航が不可能になってしまったため、研究が全体的に停止してしまったため。2022年度では渡航が可能になった時点で、即座に研究の遅れを挽回すべく、研究を再開する見込みである。ただし、2022年度内に当初の研究計画をすべて達成するのは困難な状況にある。
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