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2021 年度 実施状況報告書

教育・保育・福祉関係者が使える発達性協調運動障害評価と日常生活介入の開発と普及

研究課題

研究課題/領域番号 19K21800
研究機関大阪保健医療大学

研究代表者

藪中 良彦  大阪保健医療大学, 大阪保健医療大学 保健医療学部, 教授 (60536803)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2023-03-31
キーワード発達性協調運動障害評価 / 教育・保育・福祉関係者 / 日常生活介入 / 評価と介入方法の開発と普及 / 眼球運動測定 / 座圧分布測定 / 手指筋力測定 / 鉛筆握り
研究実績の概要

本研究の目的は,医学的教育を受けていない教育・保育・福祉関係者が使用できる協調運動障害のある子ども達の評価表を作成し,その評価を基にした日常生活の中で実施できる有効なアプローチを開発して普及させることである.
2021年度は,新型コロナウイルス感染症流行のためにフィールドワークを行うことに大きな制限が生じたが,以下のような活動を実施した.①京都府立南山城支援学校との研究協力体制の中で,「協調運動障害評価目録(教育・福祉関係者用)」の改訂のために必要な学校教員からのフィードバック情報を収集した.また,教員と協業して協調運動障害のある知的障害児に対する眼球運動機能及び座位姿勢保持能力向上のためのプログラムを実施した.眼球運動機能に大きな改善は認められなかったが,座位姿勢保持に関しては改善が認められた.2022年度により詳しい個別評価に基づく眼球運動機能向上プログラムを作成するために,眼球運動測定装置を購入した.また,座位姿勢保持能力向上を客観的に評価するために,体圧分布測定装置を購入した.②放課後児童デイサービス事業者「わくわくエジソン」と連携し,スタッフへ評価方法の指導を行うと共に,個別および集団での介入方法の開発を行ない,具体的な介入方法の蓄積を行った.また,目録(教育・福祉関係者用)の改訂のために必要な放課後デイサービススタッフからのフィードバック情報を収集した.③学校教員及び放課後デイサービススタッフ等からのフィードバック情報を基に「協調運動障害評価目録(教育・福祉関係者用)」及び 「協調運動障害評価目録(医療関係者用)」の実施方法と具体的な介入方法を紹介するホームページを2022年に立ち上げる準備が整った. ④大阪保健医療大学第1回公開講座において「協調性運動障害のある子どもの評価とアプローチ」というテーマで,教育・福祉関係者向けにオンラインで講演を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症流行のため,フィールドワークが難しくなり,予定していた「協調運動障害評価目録(教育・福祉関係者用)」を普及するための研修会を全国で開催することができず,予定していた評価法実施後のアンケート調査を行うことができなかった.しかし,京都府立南山城支援学校教員及び放課後デイサービス「わくわくエジソン」スタッフ等からのフィードバックを基に「協調運動障害評価目録(教育・福祉関係者用)」の改訂を行うことができた.アンケート調査に関しては,2022年度に開設するホームページを通して実施し,目録のさらなる改訂をする予定である.
介入方法の開発に関しては,Zoomを使用した放課後児童デイサービスとの連携の中で具体的な介入方法を開発し,それらの蓄積が行えた.また,京都府立南山城支援学校との研究協力体制の下,学校現場での介入方法の検討を行ことができた.
その他,協調運動障害のある子どもが問題を持つことが多い「眼球運動」,「座位姿勢保持」,「鉛筆の握り」に関する研究計画を立案し,それらの研究を2022年度に実施する準備ができている.

今後の研究の推進方策

引き続き新型コロナウイルス感染症流行によって対面での研究活動が制限されることが予想されるため,ホームページ及びオンラインによる研修会を通して改訂した「協調運動障害評価目録(教育・福祉関係者用)」及び 「協調運動障害評価目録(医療関係者用)」の実施方法と具体的な介入方法の普及を図る.加えて,評価方法の改善のためのフィードバックや介入方法の募集を行う.
一方で,「眼球運動」,「座位姿勢保持」,「鉛筆の握り」の改善に関する研究を実施する.「眼球運動」に関しては,支援学校や放課後デイサービスにおいて,眼球運動測定装置を使用して協調運動障害のある子どもの評価,評価に基づく介入プログラムの立案,介入の効果判定を行う.「座位姿勢保持」に関しては,支援学校において,座圧分布測定装置を使用して協調運動障害のある子どもの評価,評価に基づく介入プログラムの立案,介入の効果判定を行う.「鉛筆の握り」に関しては,手指筋力測定装置を使用して手指筋力と鉛筆握りの関係をまず健常成人において調査し,その後協調運動障害のある子どもの研究に移行する.

次年度使用額が生じた理由

2020年度は,新型コロナウイルス感染症流行のために全国での開催を予定していた研修会を開催できず,予定していた旅費,研修会会場費,資料代が生じず次年度使用額が生じた.
そのため,2021年度にその予算を使用して,手指筋力測定装置の開発と作製,座圧分布測定装置及び眼球運動測定装置の購入を行った.また,ホームページの公開が2022年度となるため,ホームページ作成費用が2022年度に繰り越しとなった.
その他の2022年度への繰り越し予算は,支援学校及び放課後デイサービスでの研究実施に伴う交通費や物品購入に充てる予定である.

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公開日: 2022-12-28  

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