研究課題/領域番号 |
19K21802
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研究機関 | 尚絅大学短期大学部 |
研究代表者 |
安村 由希子 尚絅大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60528363)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 仮名の習得 / 幼児 / 音韻能力 |
研究実績の概要 |
はじめに:本研究の第一の目的は、幼児が教えられてではなく、自然に仮名文字を習得する際に、どのような要因が関連するのか検証すること、及び指導法の構築を検討することを目的とする。今年度は集団への実施に向けた前段階として、一事例を対象に、仮名文字の習得状況を調査し、指導法の検討も行った。 方法:事例(男児、年長、5歳6か月)。課題は、仮名文字の読みとして14文字を提示し、読めた文字をカウントした。また、市販の50音文字に絵が付いているものを提示して、読める文字を確認した。仮名文字の書きとしては、本児に何の文字が書けるか聞いて、「書ける」と答えた文字を書いてもらった。 結果:仮名文字3つ「あ」「し」「き」が読めた。書けた文字は「し」のみであった。一方で、市販の50音文字に絵が付いているものは、その絵を手掛かりにほとんどの仮名文字を読むことができた。 考察:かなの指導法においては、絵(意味)を手掛かりに音を出させるキーワード法が良いと考えられた(例:“あいす”の絵と“あ”の文字をみて、「あいすの“あ”」と言う)。ただし、キーワード法を使うためには、①子どもの中に、「あいすの“あ”」のように、音韻分解が出来ること、②絵の呼称ができること、③提示された絵と文字の関連性が分かることが必要と考えられる。これを能力別に捉えると、①が音韻意識、②と③が言語能力や知的能力が関連するものと考えられた。これらの条件が子どもの中にそろっていてはじめてキーワード法を用いた指導法が有効と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年冬~春に集団への実施を予定していたが、新型コロナウィルス感染拡大のため、実施が難しくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染状況を鑑み、集団への実施が可能であれば、集団への課題実施を行う予定である。難しい場合は、複数の事例研究にて行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナウィルスの影響で、集団への課題の実施が難しかった。そのため、今年度使用するはずのテスターへの謝金等や課題を実施する際に使うPCなどの購入ができず、その分を来年度に回す方向で考えている。
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