研究課題/領域番号 |
19K21803
|
研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
鈴木 正樹 沼津工業高等専門学校, 教養科, 准教授 (30455109)
|
研究分担者 |
伊藤 美紀 (伊藤横山美紀) 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00325903)
高橋 圭介 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20455108)
松本 行真 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60455110)
平尾 篤利 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70455111)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 防災教育 / 文理工連携 / 教材開発 / 防災用問題集 / 数学教育 |
研究実績の概要 |
本年度に実施したのは次の通りである。 函館,いわき,新潟,沼津という4つの地域における災害の歴史や地域特性の資料収集を通じて,各地域における防災教育の現状といくつかの課題を把握した。それらを共同研究者らと情報共有し,文理工の連携方法と手順を確認した。 理学的観点の立場としては,災害,防災,減災,復興という防災教育に関連するキーワードをもとにした中学校基礎レベルの数学および理科の知識で解くことのできる防災用問題集を作成した。この問題集を広く一般公開するには,幾分かの推敲の余地と問題の精査,およびイラスト部分の修正が必要であるが,問題集の一部を用いて,中学生対象の公開講座を実施した。公開講座を通じて,防災用問題集としての有用性や防災教育における役割を確認した一方で防災用としての課題を把握した。 工学的観点の立場としては,共同研究者により,技術科科目における防災教育に通じた災害時の備えがまとめられ,報告されている。また,文系的観点は主に社会学の立場から,共同研究者により,いわき市にて,東日本大震災後に実施された各種避難訓練への参加状況やその評価についての聞き取りが実施され,さらに,道内では,北海道胆振東部地震やその際の停電における住民対応とその課題に対する聞き取りや単位町内会長を対象とした質問紙調査が行われている。 ここまでの成果をふまえ,自然災害の発生メカニズムの理解,事前の備えから被災時の対応,さらに復興,復旧までの防災教育における最初から最後までのすべてを含んだ防災用教材の作成に着手した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
防災用問題集が形になりつつあり,文理工連携となる防災用教材の作成にも取り組み始めている。また,問題集と教材についての実証的研究として,それらを用いた公開講座の様子をまとめている(学内報告集に投稿)ことから,おおむね順調に進展しているとした。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度作成した防災用問題集を推敲し,問題を精査する。図やイラストはKetCindy(Texの図版ファイルを作るシステム)を用いて統一的に作成し,問題集の一般公開を目指す。また,防災用教材については,大きく掲げている文理工連携と呼べる防災教育の一気通貫,すなわち防災教育における最初から最後までを学べる教材を作成する。さらに,この教材のやさしい日本語化を行う予定であるが,別途,英語化も行い,留学生や日本語を母国語としない観光客に対応できる教材(の簡易版)の作成を新たに計画している。 これら問題集,教材を用いた公開講座を中学生向けだけでなく一般向けも開催し,受講者から意見を集め,さらなる改善につなげていく。また,学会発表を行うことで研究者からの評価をうけ,成果集約の方法や手順を確認し,論文投稿を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度末にいわき市にて研究会を予定していたが,新型コロナウィルスの影響により実施できなかったためである。 未実施の研究会を2020年度内に実施する予定であるが,新たに遠隔対応とメディアコンテンツの作成に必要な物品購入を計画している。
|